石うすの歌 実践記録
「石うすの歌」を8時間で指導しました。その実践記録です。8時間分の学級通信、子ども達が作った問題集、一部指導案もご覧いただけます。(原実践:小林正樹氏 コンテンツ作成:坂本佳朗)

(1教時め)音読・感想を書く。
1の場面を小林が読む。
・できたら、読めない漢字に読みがなを書きながら聞く。
一人ひとりが「の場面を読む。
・立って読む。
・読めない漢字があったら、聞きに来る。
・読み終わったら腰掛けて、2の場面を読んでいる。
2の場面、3の場面も同じように繰り返す。
【読めなくて、聞きに来た漢字】
・近年 ・試み ・菜園 ・ご先祖 ・品評会
・上着 ・空想 ・船客 ・汽船 ・西日 ・青々
・黒っぽい ・早朝 ・お食事 ・消し飛んで
※黒板に書いておき、後で確認しました。
◇「読めない漢字を聞きに来る」・・・これができる子は、伸びます。
「わからない」→「わかろうと思う」→「わ
かるための行動をする」・・・この「行動」が大事なんです。
◇ここまでで、40分弱でした。
あとは、ノート作りをして、終了です。
右側にはすでに、
「 水無月二十一日
石うすの歌 壺井 栄 作」と、書いてあります。
ノートの上半分に、1回聞いて、1回自分で読んでの感想を書きましょう。気づいたこと・わかったこと・思ったことなどを書きましょう。
◇残りは、4分程度。
みな、もくもくと書いています。
ゆったりと書くように、枠組みするように言ってあります。
誰のノートとも違う、世界中に一冊しかない自分のノートを作るのです。
「ノート作りを楽しめる子」にも育てたいと考えています。
(2教時め)指名なし音読・問題作り
◇「指名なし音読」からスタートしました。とっても長い物語なのですが、「指名なし音読」だと、集中して取り組める良さもあります。
「指名なし音読」とは・・・
教師が指名をしないで、リレー形式で声を出して読む、というもの。
順番、どこまで読むかは、子ども達に任される。
この時間は、後で「みんなで考えたい問題」を書く時間であることを話して、疑問点に「?(ハテナ)」を書かせながら読ませました。
◇最初から最後まで読み、ノートを準備して、残り時間は、17分ほどありました。
ノートには、以下のように書かせました。
水無月二十二日
みんなで考えたい問題
◇1の場面から
◇2の場面から
◇3の場面から
◇全体から
※実際には縦書き
◇実は、昨日のノートの下1/2に書いてもらおうと準備させたのですが、予想以上に場所をとってしまいました。
次のページにも書かせることになってしまいました。なんと、全員が次のページにまで書いてしまいました。
さらに、大きな誤算です。
「みんなで考えたい問題を作る」という学習は今まで経験していないはずなので、難しいと思ったのです。
そこで、左下の4つのうち、3つについて書ければいい、という条件を出しました。
そして、最初の1つだけをチェックしました。結構、いい問題を作ってるんです、みんな。
その後は、自分の席でがんがん書いています。時間もたっぷりのようです。
結局、5校時終了5分前ほどで、切りのいい人から問題作りは終了としました。12分間ほどの時間でした。
作った数、第1位は10問の由佳さんと史織さん、次が7問の幸祐さんと徹さんでした。
◇さて、この問題をどうするのか?
問題集を作ります。
そして、次の時間はその問題集を解く時間とします。
みんなで作った、世界に一つしかない問題集となるはずです。次回をお楽しみに~!
『石うすの歌』問題集
◇1の場面から
・1の1(H)なぜねむくなるのか。
・1の2(Y)小麦や大豆をひくとなぜ重いのか。
・1の3(K)どうしておぼんには、団子やうどんをつくる習わしなの
・1の4(K)本当にゴロンゴロンと聞くとねむくなるのか?
・1の5(T) どうして、寒い時にこたつの中で聞くとおもしろいのか。
・1の6(T) どうしてうすが歌っているように聞こえるのか。
・1の7(T) どうして「団子がいらないからうす回さん」とわざと言ったのか。
・1の8(S)ひきうすの歌はごろごろとしか聞こえないのか。
・1の9(Y)どうして八月は団子を作るのか?
・1の10(S)生意気を言って、千枝子はおばあさんを困らせたか。
◇2の場面から
・2の1(Y)町の子どもは、配給だけなのか。
・2の2(K)もんぺ、防空ずきんとはどういうのか?
・2の3(K)お砂糖の木とは、どういう木なのか?
・2の4(T) どうして広島にいる瑞枝が来るのが楽しみなのか。
・2の5(S)お砂糖がないのに、アメは作れるのか。
・2の6(Y)「そかい」とは?
・2の7(Y)「うれすぎるわ」の、「うれすぎる」とは何か?
・2の8(Y)「秋まき」って?
・2の9(Y)楽しい空想は?
・2の10(S)おぼんが来るのといっしょに、千枝子にとってもう一つうれしいことは何か?
◇3の場面から
・3の1(H)なぜ、おばあちゃんが帰っていたのか。
・3の2(K)本当に一人でうすを回すと重たいのか?
・3の3(K)「じごく・ごくらく」とは、。どういう言葉か?
・3の4(T) どうして何度も「いい所ね」とくりかえしたのか。
・3の5(S・Y)「地ごくごくらく」という絵は、どんな絵なのか。
・3の6(Y)「もう精も根もつきてのう」とは?
・3の7(S)二番泊まって、おぼんを待たず広島へ帰っていきましたか。
◇全体から
・全の1(H)なぜ絵が上手なのか。
・全の2(Y)千枝子は何年生なのか。
・全の3(Y)この話は何年ごろか。
・全の4(Y)千枝子の住んでいるところはどこなの?
・全の5(K・T)登場人物は、何人いるでしょうか?
・全の6(T) 主人公は誰か。
・全の7(S)この物語は、戦争の話なのですか。
・全の8(S)この話の主人公は、石うすなのですか。
・全の9(S)瑞枝のお父さん・お母さんが死んでしまった後、広島へ帰ったことはあるのですか。
・全の10(S)そのころの食事は、ふつうどんなご飯なのか。
・全の11(S)そのころの日本にはパンがあったようですが、どんなパンだったのですか。
・全の11(S)勉強はどこでやっていたのですか。
・全の11(S)そのころの勉強はどんな教科ですか。
・全の12(S)この後、瑞枝はずっと千枝子たちとくらしたの?
・全の13(Y)千枝子が何才の時から戦争がはげしくなったの?
・全の14(Y)瑞枝は何人家族?
すばらしい問題の数々です。
世界に一つしかない問題集です。
ぜひ、たくさん解いてみましょう。
【解き方のヒント】
①「わからない」という答もある。
②辞書を使おう。
③予想で書いてみるしかない問いもある。
④問いの意味が分からない場合は、出題者に聞いてみよう。
⑤社会科資料集、家族(お祖父ちゃん・お祖母ちゃん)にお尋ねしてみる、という方法もある。
授業中にみんなで考えてみる問題もあります。考えを出し合って、答を話し合ってみたいですね。
(3教時め)問題集を解く
◇「全文指名なし音読」からスタート。時間節約のため、3の場面の後半は、全員で声を出して読みました。
これで、授業中に読んだのが、4回。まだまだ読み方が不十分です。29日の木曜日、朗読集会でも『石うすの歌』を読みます。
◇今日の学習の中心は「みんなの問題に答える」です。問題集を配布し、解いてみたい問題をノートに書かせていきました。
時間切れで、ノート1ページも進みませんでしたが、集中して取り組んでいました。
一部を紹介します。
〔2の7〕
実がじゅくすること。(辞書から)
《Yさん》
◆「うれすぎるわ」が気になっていた由佳さんです。「売れる」「熟れる」・・・
どちらも「ウレル」なんです。漢字で書くとわかりやすいんですけどね。
〔1の2〕
ぼくの予想だと、小麦と大豆がたくさん入っていて、重さが倍になる。だから重くなるんだと思う。
《Tさん》
〔1の2〕
たぶん予想で、ひきうすは石でできているのと、小麦などの重さがかかっているから、重いんじゃないかと思った。
《Kさん》
◆〔1の2〕を二人が選んで答えました。
「予想で」「たぶん」「だから」などの言葉がいいですね。
〔1の1〕
たぶん、石うすは重たいとゴロゴロとしか聞こえないから、たいくつでねむくなるのではないでしょうか。また、石うすは重たくてすぐつかれてしまうのではないでしょうか。私も、つかれるとねむくなるのがはやくなるから。
《Sさん》
◆「~でしょうか」「私も~」こうやって考えていくと、楽しく物語が読めてきます。
〔全の2〕
たぶん、6年生ぐらいだと思う。
《Yさん》
◆これは「たぶん」ではなく、理由があるでしょう。Yさんなら、理由も書けそうです。
〔2の8〕
「秋まき」は辞典にはなかった。
《Sさん》
◆私も確認しましたが、ありませんでした。
さーて、どうやって調べればいいでしょうか?
〔1の3〕
ぼくの家でもするからだと思う。
《Hさん》
◆自分の経験から書いてるのがすばらしいです。
(4教時め)1の場面
◇今日は「1の場面」の学習です。
まずは、「1の場面」の「指名なし音読」から。上手になっているのですが、漢字よりもひらがなの読み誤りが気になりました。
石うすはどんな音を出していますか?
正解は、
「ゴロゴロ」
「ゴロン、ゴロン」
「ゴロリン、ゴロリン」
なのですが、「ゴロン」「ゴロリン」で終わったり、「ゴロンゴロン」「ゴロリンゴロリン」というように読点がなかったりで、ここはきちんと確認しました。
上に書いた「ひらがなの読み誤り」は、こんな授業を続けていくと、少しは解消されるかな、と思いました。
スピードの速い順に、1・2・3と、順番を付けましょう。
上から順に、「1・2・3」となるのですが、「3・2・1」のTさん、「2・3・1」のHさんの考えも出され、討論となりました。
「Tさんが一番勉強になったね。意見も言っ て、みんなの意見も聞いて、考えが変化し たんだから。」
話し合い後に、こんなことを言いました。本当にそうだと思います。「勝ち負け」ではないんですから。
「次の問題は、難しいよ。自分の言葉で答え なくちゃいけないからね。」
と言って、次の問題に進みました。今日、最も考えさせたかったことです。
おばあさんに言われたとき、最後は千枝子はどんな表情をしていましたか?
○・笑っている表情
○・うれしそうな表情
○・楽しい表情
△・悲しい表情
△・いやな表情
○・ニコニコしている表情
◎・びっくりとおもしろそうな表情
(Y)
◎・考えている表情(Y)
△・おこっている表情
この後、討論です。黒板にずら~っと書かせておきましたので、
「“おたずね朝日記”の時のように、おたず ねしましょう。国語の時間なので、“私は ~思うんだけど、~”という形で質問して 下さい。」
と話してから、討論させました。
上の◎○△は、討論後の結果です。
「“なるほどと、納得した表情”なんてのも いいね。」
と付け加えておきました。
「石うすの音」では、「文が長いのや、読点があると、なんだか遅くなるんだ」と思った。
最後の「千枝子の表情」は、先生が言った「なっとくしている表情」に、ぼくはなっとくした。
上は、Yさんの授業後の感想です。
もちろん感想を書くんですが、友達・先生の名前や言ったこと、授業中に言えなかったことなども書きましょう、と言ってあります。
(5教時め)2の場面
◇今日は2の場面の学習です。
いつもの通り、指名なし音読からスタート。
負けずに「私もあげるわ」と言ってしまったと言うことは、千枝子は瑞枝をあまり歓迎していないのではないか。
この考えに「賛成」「反対」で、討論させました。ここは省略しますが、討論の仕方がかなりよくなってきました。
①「○○さん、どうですか?」
②「“○ページ○行”を開いて下さい。」 「指で押さえて下さい。」
③「みんなで一緒に読んでみましょう。 さん、ハイ。」
④「わからなくなりました。」
「考えを変えます。」
こんな言葉が自然に出るようになってきました。
さて、答は、「歓迎している」でしょうね。「反対」という証拠がたくさん出されました。
◇今日、最も考えさせたい問題は、これ。
2の場面の最後で、みんな大笑いをしたわけは?
一人ひとりがノートに書き、そして、黒板に書く。それを見ながら討論する、という形を取りました。
7人全員が黒板に書く、これだけでもすごいことだと思います。考えを持って授業に参加しているのですから。
・(Kさん)軽くなるとうそを言ったみたいに思ったから。
・(Sさん)おばさんにとっては信じられないことを言ったから。
・(Yさん)歌を歌ったから。
・(Sさん)石うすが歌を歌うの。
・(Tさん)おばさんにとってはくだらなくて、そんなのあるわけないと思っているから。
・(Hさん)千枝子が言ったから大笑いしたと思う。
・(Yさん)本当に軽くなるのか、と思ったから。
時間がなくなり、説明して終了です。
今までおばあさんに言われていたことを、自分が考えた事みたいに千枝子が言ったから大笑いしたんだ。つまり、Hさんが、正解!」
(Hさん)ぼくは、千枝子と瑞枝のこともわかったし、先生もぼくに賛成みたいだったので、すごくうれしかったです。ぼくに質問も来なかった。
(Yさん)最後に先生が、千枝子が自分で言ったように聞こえたから、周りの人が面白くて笑えたと言っていて、私は「ああ、そうだったんだ!」と思って、先生の言っていることがわかって、どうして大笑いしたかがわかってよかった。
(Sさん)千枝子がおばさんに、「団子がほしけりゃ、うす回せ」と言って、みんな大笑いをしていて、おばさんはいつまでも笑っていて、よっぽど千枝子が言ったことが面白かったんだなあと思いました。
◇おばさんにズームアップする理由は?
(6教時め)3の場面
◇黒板に日付を書こうとした時、
「7月はなんだっけ?」
という声が聞こえてきました。
教室後ろのカレンダーを調べて、「文月」(ふづき・ふみつき)であることを教えてくれたのが、Yさん、Tさんでした。
さて、今日は「3の場面」です。
「二晩」とは、何月何日だろう?
みんな次々に持ってきます。そして、次々に×をもらって戻ります。
「二晩だから何月何日と何月何日と、二つ書 かなきゃ。」
というと、ようやく正解者が出ました。
ナンバー1は、Sさんでした。
「やったー!」
の声が聞こえました。
8月3日と4日が正解です。
次が最も考えさせたかったことです。
強く強くよみがえってきたのは、おばさんのどの言葉か。
①~ここはいい景色
②~瑞枝は幸せ
③~行く行くは
④ほんとにいい所ね。
「3の場面」の指名なし音読の途中に課題を示し、続いて最後まで読ませていきました。
音読後に、答の番号を書かせ、黒板にネームをはらせました。次に、そう考える理由を書かせ、黒板にも書いてもらいました。
◇黒板に、ずらっと7人分の意見が書かれたところで、話し合いの時間です。
7分間。TさんがHさんに質問し、YさんがSさんに質問し、SさんがYさんに質問し、で終わってしまいました。
②が1人
③が6人
この場合の話し合い、実は難しいんです。
(1)②でないことを確認する。(2)③の意見の中での違いを確認する→詰める。
この2段階・3段階が必要だからです。ここは、これから一緒に勉強していきましょう。みんななら、きっとできるはずですから。
私の方で確認しました。
Kさんが言うように、“早く実現した” は、いいですね。ここを‘早くとは、いつ なんですか?’と質問するんです。(省略)
Yさん・Tさんの“お墓にきてねむる” とYさんの“家には来ない”で、どっち が正しいでしょうか。(省略)こういう違 いを見つけて質問できるといいんですね。
(Sさん)今日の勉強でも、質問する時間があったけれど、私はまた質問できませんでした。③を選んだ人の意見が全部一緒だと思っていたからです。でも、Y君とT君、Yさんは「ねむる」「ねむらない」で分かれていたりしました。
ちゃんとみんなの意見を読み比べたりして、小さな質問でもしたいと思いました。
(Yさん)ぼくは今日の「特にどの言葉か」で、ぼくは「原爆で死んでしまい~」と書いたけど、「~早く実現~」と書いていたK君の言葉に、そういうのもあるんだなと思った。
◇さらに、可能性を感じた1時間でした。
(7教時め)3の場面
◇『石うすの歌』の学習も、いよいよ終わりに近づいてきました。
今日の課題は、これです。
3の場面を二つに分けると、どこで分けられるか。
A(Sさん);66ページ6行目から
「千枝子たちは、そんなふうに~」
→おばさんのことを想像しているから。
B(Tさん);67ページ3行目から
「もうすぐおぼんが来る。」
→ここより前は帰る時のことで、ここからがらりと話が変わるから。
C(Yさん・Kさん・Sさん・Yさん);67ページ8行目から
「瑞枝がうちの人たちと別れて~」
→ここより前は父母がまだどうなったかわからない楽しい朝で、この後は父母が亡くなったことがわかり、だんだん悲しくなってくるから。
D(Hさん);69ページ3行目から
「お姉ちゃん、わたしもやるわ。」
→瑞枝もやりたそうにしているから。
人数の多い、Cにみんなの考えがまとまりそうでした。
「Cのような感じがしますね。さて、本当にCでしょうか?
Cに質問です。ずうっと、悲しいままですか?悲しく落ち込んだままお話が終わって
いますか?(「違う」という反応)じゃあ、Cは違いますね。
Tさんの“がらりと話が変わる”ここがポイントです。悲しんで、落ち込んで、そこから立ち上がる場所があります。Hさんの考えは、かすってます。さて、どこで区切るといいんでしょう。
◇線を引いて、次々とノートを持ってきます。
「おしい!」
「おしい!」
が続きました。正解者がやっと出ました。Sさん、Hさん、Kさんです。なぜか、東側の窓の方、陽当たりのいい3人組でした。
さて、正解は・・・、「68ページ10行目・おあばあさん、わたしがひくわ」からでしょう。みんな納得でした。ここから、千枝子が立ち上がり、瑞枝もおばあさんも、少しずつ立ち上がっていくのです。
石うすも「泣いているのでしょうか」から「歌い始めました」に変化しています。
(Sさん)私も物語のように、石うすのことは全然関係なしに区切りをつけていました。先生が、「タイトルにも関係がある」と言ったので、石うすひきを始める所に線を引いたら、そこでした。考えてみると、そこらへんから立ち上がっていく感じが出てきました。そんなふうにタイトルから考える方法もあるので、これからは活用していきたいです。
◇Tさんの感想に「これからは一人だけの意見でも反対意見や賛成意見などをたくさんして、成長していきたいです」とありました。
その通り!一人ひとりが強くなって、クラス全体の成長があるんです!
(8教時め)全体
◇いよいよ6年生として取り組ませたかった、最後の問題です。
この物語の主題は何か。
主題を、
「作者が最も訴えたいこと」・・・でもこれだと作者に聞かないと分からないから「読者が最も強く心に感じること」
というように説明してから考えさせました。
さらに、条件です。
①書き出しを「世の中」「人(間)」とすること。
②一文で終わること。
③「石うす」「登場人物の名前」などは使わないこと。
こうなると、とっても難しくなりますよね。
「とにかく、一つでもいいから自分で考えられたら100点です。」
と言って、ノートを持ってこさせました。次々と持ってくる「仮の主題」に、100点、100点とつけていきました。
◇その後、黒板に書かせ、検討しました。
残ったものを参考に、さらにもう一度自分で考えさせ、最終的な考えを黒板に書かせました。最後には、私の考えた主題もノートに書かせました。
この時間で、「主題」を何度も何度も考えたことになります。
◇以下、最終的に一人ひとりが黒板に書いた主題です。
《Hさん》
人はつらいことでものりこえる。
《Tさん》
人間は助け合いながら強くなっていく。
《Yさん》
人はどんなことがあっても必ずのりこえられる。
《Sさん・Sさん》
人はつらいことでものりこえながら強くなっていく。
《Yさん》
人はつらいことでものりこえることができる。
《Kさん》
人間はつらいことでもがまんしてのりこえる。
《小林》
人間は、どんな不幸も乗りこえてたくましく生きていく。
(Tさん)「主題は何か」というテーマで、ぼくは「主題」が分からなかったけどできたので、みんなも成長したからだと思う。
68ページ1行目で、「泣きそうになる瑞枝を一生けんめいなぐさめた」と書かれているから、これだと思った。
だけど、先生の言う言葉は、障害者の『五体不満足』でも書かれていたので、「不幸でも乗り切る」ということがいいと思った。
◇上の「学習のまとめ・感想」のどこがいいか。
①「○ページ○行」としっかりと書いてあること。
②以前に学習した別なこととつないで書いてあること。この二つです。