漢詩『春暁』孟浩然の授業
「春暁」孟浩然を読解する授業である。国語の伝統的言語文化、1時間扱いの授業である。

春暁
孟浩然
春眠暁を覚えず
処処啼鳥を聞く
夜来風雨の声
花落つること知る多少
1 音読
まずは、繰り返し音読をさせる。
変化のある繰り返しで、10回以上は音読をさせる。
先生が読みます。
先生のあとにつけて読みます。
先生と1行交代で読みます。
男女で1行交代読みをします。
隣の人と1行交代をします。
2 読み取り
「漢詩」と言います。中国の詩です。
この詩を読んで、考えられること、思ったことをノートに箇条書きしなさい。
向山氏の「冬景色」の授業の指示である。
子どもの内部情報の蓄積をさせるために行う。
書けない子どものために、書いた子どもの意見を読み、ヒントにする。
発表しなさい。
指名なし発表をさせる。
季節はいつですか。
「春」である。「春暁」「春眠」が根拠となる言葉である。
子どもがすぐに答えられる発問である。
答えだけではなく、根拠となる言葉も聞く。
そこを丸で囲ませることで、全員参加の授業にする
時間帯はいつですか。
「朝」である。「夜来」というのは、「夜以来」という意味である。
これも根拠となる言葉を丸で囲ませる。
答えを確定してから囲ませることで、エラーレスにする。
また、「夜来」など、分かりにくい言葉を辞書引きさせる。
実際に見えているものは何ですか。
「鳥」「風雨」「花」いずれも見えていない。
話者は寝床にいて、鳥の声や風雨の音を聞いている。
また、「花」がどれぐらい散ったのかを想像している。討論をさせる。
「啼鳥」が「鳥が鳴くこと」「風雨の声」が「雨や風の音」である。実際には見えていない。
「花」も見えていない。
「多少」とは「どれぐらい」という意味であり、「花落つること知る多少」とは、「花はどれぐらい散ってしまったのだろう」という意味である。
花は何の花だと思いますか。
「牡丹」「桃の花」という説がある。
「牡丹」と「桃の花」の画像を見せると、視覚的にも理解できる。
花びらが大きいので、「落ちる」が合う。
「この花が桜ではない」という証拠があります。
どの言葉ですか。
「落つる」である。桜だったら、「散る」になるはずである。
「桜」の画像も見せる。花びらが小さく、散るという感じである。
特別支援を要する子どもの中には、聴覚情報だけでは入りにく子どもがいる。
視覚情報とセットで見せる。
4 まとめの作文
まとめの作文を書きなさい。
「まとめの作文」を書かせる。
図やイラストで表すことも奨励する。
よく書けた子どもの作文を全体に紹介すると、書けない子どもへのヒントとなる。