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特別ルールで男女ともに楽しむバスケットの授業

「ドリブル」、「シュート」と得意不得意がはっきりするバスケット。体育の授業で「楽しむ」ためには、男女差、得意不得意を補う「特別ルール」が必要である。

説明 . 1

バスケットは、「好き」、「嫌い」がはっきりするスポーツである。「ドリブルができない。」、「バスが回ってこない。」と嫌いな児童は理由をあげる。
 これらを解消するために、授業では、毎年特別ルールを採用している。男女、得意不得意に関係なく楽しめるルールである。

説明 . 2

通常は、1ゴール2点である。
 男子は、そのまま2点を採用する。
 女子は、1ゴール「5点」。力の差が大きければ「10点」でもいい。
 また、女子だけは、シュートがリングに当たれば「1点」である。
 これだけで女子のシュート数が増える。
 ただし、バスケ部がいる場合は、実態に応じて変化させる必要がある。

説明 . 3

ゲームの中でも特別ルールを採用する。
 考えの中心は、「すべての児童が楽しめる」ことである。
 1チームは、男女混合の4人。人数を通常よりも減らすことで、一人一人がボールに触れる機会を確保する。
①ドリブル禁止
 試合中のドリブルを禁止する。
 そうするとボールを運ぶためにパスをしなければいけない。必然的にチーム全体へボールが回ることになる。
 このルールで行うと、バスケ部の児童から次の要望が来る。
「先生、ドリブルさせてください。」
 簡単にはOKを出さない。
「みんなが楽しめないといけません。」
 その一言でパスを意識的に回すようになる。
そこで、少しずつドリブル時間を増やしていく。最初は最後の1分だけ、次は少し時間を延ばして2分だけ、とドリブルOKにする。
 すると、得意な児童もまわりを意識して、パス回しを行うようになる。
②シュートを決めたら1回休み
 シュートを決めたら自分で得点板へ行き、点数を入れる。どうしても、得意な児童がシュートを入れる場面が多い。
 そこで、「シュートを入れたら1回休み」である。ゴールを決めると、次の攻撃は
「3人対4人」である。得点を入れていないチームが圧倒的有利になる。
 しかも、シュートを入れた児童がいないとなれば、相手方のシュートチャンスも広がる。
 また、ゲームを進めていくと、得意な児童も考える。自分が「休み」になるのを避けるために、まわりの児童にシュートチャンスを与えるようになるのである。
③全員ゴールでボーナス点
 ゲームに出場している全員がシュートを決めたら「ボーナス点」を与える。
 単純に苦手な児童のシュートチャンスが生まれるだけでなく、その児童へシュートのやり方を指導する児童が現れるはずである。自然、シュート練習をする児童も増える。
 ボーナス点が「20点」もあれば、逆転も可能であり、児童もけん命に取り組む。

学級の実態に応じてルールを変更する。
 何よりも大切なのは、得意も不得意も楽しめるか、運動量を確保しているかである。

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