6年 ミシンでの製作5 ミシン縫いの授業の進め方のポイント
6年のミシンでの製作の授業です。ミシンで実際に縫っていくときのポイントについてまとめています。

ミシン縫いを進めるときのポイント
ミシン縫いを進めるときのポイントは、
(1)縫う順番・・・どの順番で縫うのか。
(2)縫う位置・・・布のどこを縫うのか。
の二つだ。
子どもたちの実態、学習状況に応じて、教師が一つ一つ手順を解説するか、子どもたちに資料を見させて自分たちで進めさせるか授業の進め方を変える。
不織布での試し作りをして、子どもたちが製作手順の見通しを持っている場合→教師の解説は抑えて、自分たちで進めさせる。
製作に不慣れで製作手順の見通しがつかめていない場合→手順ごとに教師が解説して進める。
教室整備
縫う順番と縫う位置が分かるように掲示、動画を準備する。
(1)掲示・・・手順については、教科書を見させてもよいが、段階別の実物見本は子どもたちが製作のイメージを持つために必要である。
(2)動画・・・デジタル教科書についているものなど。縫いはじめはどこか、ミシンに布をどう置いて縫い進めるのか、つかむために使う。教師が解説するときに見るだけではなく、子どもたちが再確認したいときに自分で見られるように、自由に再生できるパソコンを準備しておくとよい。
授業の進め方
不織布などで試し作りをして、子どもたちが製作手順の見通しを持っている場合
大きさを決めるときに、不織布で試し作りをしていると、どこを縫うと形になるのか子どもたちは見通しを持つことができる。
そのため、教師が一つ一つ手順を説明するのではなく、子どもたちが自分たちでミシン縫いを進めていくようにサポートを行うことがメインとなる。
製作に不慣れで製作手順の見通しがつかめていない場合
試し作りをしていないと、製作の順番を確認しても言葉や図と実際の布での作業が子どもたちの中で結びつかない。
その場合は、一つ一つの手順を見せながら、説明をして作業を進めさせていく。
作るものに応じた指導のポイント
手さげ
袋物の中では、難易度が低めなのが手さげである。
持ち手を付けるところがやや複雑だが、それ以外は、縫う場所もシンプルである。
1 わきを縫う。
縫い初めと縫い終わりは返し縫いをすることをおさえる。
わきの上から下まで縫いきればいい。

2 出し入れ口を縫う。
わきのぬいしろの処理と三つ折りの縫い方をおさえる。
(キルティングなど厚い布はの場合は、三つ折りではなく二つ折りにする。)
また、ミシンで縫うときはひっくり返してから縫わせる。こうすると、袋の口を閉じるように縫ってしまうことがない。

3 ひもをつける
ひもの場所が左右でずれないように、わきから何cmにつけるか測るのがきれいに仕上げるコツである。
布やひもが厚い場合は、おさえがひっかかって、ミシンがうまく進まないことがある。
その場合は、
①手で布が進む方向に力を加えて進むのを助ける。(普段はミシンの力に合わせて手を添えているだけ)
②はずみ車を手で回して、手動でゆっくり進める。
③針をさしたまま、おさえを一旦あげて、布のひっかかりをとる。
といった対応をする。
が、一番は、ミシンで縫える厚さの布と平ひもを使うことである。

ナップザック
ナップザックは、手さげより注意するポイントが多い。
それは、背負うためのひものつけ方の違いのためだ。
なので、ひもの取り付け方をイメージさせることが重要である。

1 わきを縫う。
ナップザックでわきを縫うときポイントは、次の二つだ。
①平ひもの取り付け方
②縫いどまりの位置
この二つをおさえる。

2 出し入れ口(ひも通し口)を縫う。
ナップザックは、出し入れ口にひもを通す。
なので、ひもが通るように縫うことがポイントだ。
口開きの部分は、縫っておくと仕上がりがきれいだが、縫わなくても完成はするので、児童に合わせる。

3 ひもを通す。
ひもを通したことがない児童も多くいる。
ひも通しの基本の使い方を指導する。
枕カバー
手さげ、ナップザックとは縫う順番が異なるが、袋物なので中表にして最後にひっくり返すところは共通している。
布の折り重ね方さえ理解すれば、ミシン縫いは簡単である。
1 布端を縫う。
三つ折りにして、縫うので、三つ折りの縫い方を確認する。
アイロンでしっかりと折り目がつけば、しつけはしなくてもほとんどずれずに縫える。

2 わきを縫う。
布の折り重ね方がポイントである。
しつけをかけるまえに、折り重ね方があっているかチェックするとよい。
エプロン
ほかの作品に比べて大きいのが子どもにとってのハードルとなる。
作業スペースを広くとっておくと、作りやすい。
縫い方は、三つ折りにして縫うことの繰り返しなのでシンプルである。
しかし、ひもを通して仕上げるため、縫う順番とひもを通す部分だけ折り返しの幅が変わることがポイントとなる。
1 上とわきを縫う。
三つ折りにして縫うので、三つ折りの縫い方を確認する。
枕カバー同様、アイロンで折り目をつけておけば、しつけはなくてもあまりずれずに縫える。
しかし、枕カバーより縫う距離が長いので、縫っているうちに布がずれるのが心配なときはしつけもかける。

2 下を縫う。
三つ折りにして縫う。ポイントは、1と同じである。

3 ななめの部分(ひも通し口)を縫う。
ひもを通すので、上、わき、下より折り返す幅が広くなることに注意する。
ななめに折っていて折り返し幅も広いので、縫っているときにずれやすくなるので、ここはしつけをかけてからミシンで縫うほうがよい。

4 ひもを通す。
ナップザック同様、ひもの通し方を指導する。
