濁音の授業
1年生ひらがな指導「濁音の授業」の実践記録。
「か」と黒板に書く。
今から、先生、忍者になります。忍者の武器って何かな?
手裏剣という意見が出た。
「その通り!手裏剣を投げます。」
シュ、シュと2回投げる真似。黒板を、「が」にする。
「違う字になっちゃいました。読める人?」
「が」と元気よく読んだ。
次に「かき」と板書した。
果物の柿です。今から、先生が手裏剣を投げます。そうすると、違うものに変わります。分かる人?
「かき」(柿)が「かぎ」(鍵)になる。
同様に、
「こま」→「ごま」
「さる」→「ざる」
「ふた」→「ぶた」「ふだ」
とやっていく。
次に、「かきくけこ」「がぎぐげご」と黒板に書く。
「かきくけこ」と「がぎぐげご」は兄弟なのです。ひらがなの中には、他にも兄弟がいます。知っている人?
・「さしすせそ」と「ざじずぜぞ」
・「たちつてと」と「だぢづぜぞ」
・「はひふへほ」と「ばびぶべぼ」と「ぱぴぷぺぽ」
が出る。
「【はひふへほ】は、3兄弟なんだね。」
「【ぱぴぷぺぽ】は、手裏剣じゃなくて、ドーナツです。」
楽しく進める。
「じゃあ、こんな兄弟はどうかな?」
「な」行を黒板に書いて、濁点を付ける。
子どもたちは、そんなのないと言う。
「どうして?あるかもしれないよ。」
強引に発音すると、子どもたちは笑う。
五十音表を見て確認すると、載っていない。
この表に載ってない点が付く文字は、もうないかな?
子どもたちに聞くと、絶対にないと言う人、日本中探したらもしかしたらあると言う人、それぞれ半分くらいに分かれた。
「実は、先生、もう一つだけ知っています。知りたい?」
「知りたーい!」
「こたえは…おーしーえーまーせーん♪」
「えーっ!」
「どうしても知りたい?」
「知りたい!知りたい!」
「しょうがないなぁ。・・・。やっぱり教えません。秘密です♪」
「えーっ!!」
かつて、福沢諭吉が、主にドイツ語におけるvの発音を表現するために開発したという文字「ヴ」。
「ヴァイオリン」「ヴォーカル」「ルイ・ヴィトン」などで使われる。
後日、子どもたちの中に、調べて見つけてきた子がいた。
大いに褒めた。