『わたしのいもうと』の授業
絵本『わたしのいもうと』を使ったいじめについての授業です。
絵本『わたしのいもうと』(松谷みよこ著・偕成社)である。TOSSデーで模擬授業を受けたときから、いつか学級で授業をしてみたいと思っていた。この力のある資料と向山洋一氏がした脳の話を合わせて授業を行った。山口佳子氏(TOSSランドNO. 2210096)の修正追試である。
『わたしのいもうと』の絵本を始めから、「受け取ってくれないのです…」までを教師が読む。
この後、妹に対するいじめはどうなったと思いますか。
列指名をする。「無くなった。」「ひどくなった。」と子どもたちは予想した。
正解は言わずに、続きから、「ようやく妹は命をとりとめました。」までを読む。
いじめた人たちはどうなったと思いますか。
「反省した。」「みんなから、叱られた。」
と子どもたちは予想した。
この後、妹はどうなったと思いますか。
「いじめが無くなって、元気になった。」
「また、学校に行けるようになった。」
と子どもたちは答えた。
続きから、最後のページまでを読む。子どもたちは、真剣な表情で、こちらを見ながら聞いていた。
最後に、いもうとは自分が思ったことを書いています。
妹の書いた文章を読む。
これは、本当にあった話です。松谷みよ子さんへ来た手紙をもとにして作った作品だそうです。
本当の話であると知って、子どもたちは驚いていた。
今、いじめで自殺をする人が多いのです。なぜ、自殺まで追いつめられるか知っていますか。
ヘビの脳・ネコの脳・ヒトの脳の絵を黒板に大きくかき、話をする。(参考:『脳内革命』春山茂雄著・サンマーク出版)
最初にヘビの脳の話をする。
人間の脳は、3つの層でできています。1番内側には、「呼吸をしたり」「物 を食べたり」「眠ったり」するための脳があります。この脳が働かないと人間は生きていくことができません。ヘビなどの「は虫類」にもあるので、「ヘビの脳」と呼ばれています。
次に、ネコの脳の話をする。
2番目には、喜んだり怒ったり悲しんだり楽しんだりするための脳があります。動物にあるので「ネコの脳」と呼ばれています。ここがうまく働かないと、泣いたり笑ったり怒ったりできなくなるのです。
ヒトの脳の話をする。
そして、1番外側には「ヒトの脳」と呼ばれるところがあります。この脳は、人間だけにあり、物を考えたり覚えたり言葉を話したりするための脳です。
このように人間は、これら3つの部分がうまく働いてくれるから生きていく ことができるのです。
ヘビの脳、ネコの脳、ヒトの脳の働きを説明し、次のように発問する。
いじめるとは、この大切な脳のある部分を攻撃するのです。「いじめ」は、どの部分が攻撃すると思いますか。
「ヒトの脳」と予想する子が多かった。
実は、「いじめ」は「ヘビの脳」を攻撃しているのです。ここを攻撃されると、生きていく力がだんだん弱くなっていきます。だから、妹もごはんが食べられなくなってしまったり、寝れなくなって、死んでしまったのです。友達をそんな風にしたいですか。したいという人?したくないという人?
「したくないという人?」と聞いたときに、子どもたちの手がまっすぐ挙がった。
最後に、今日の授業の感想を書かせた。感想を書く鉛筆がとまらないくらいたくさん書いている子もいた。その後、指名なし発表をした。