黄金の3日間 完全シナリオ 1日目
黄金の3日間・1日目の完全シナリオ。「所信表明演説」「叱る3原則」など、そのまま使えます。(TOSS兵庫ML推薦) No.7983182 http://www9.ocn.ne.jp/~k.horita/ougon1.htm

1年間の学級経営を左右する「黄金の3日間」の完全シナリオ。
登校してから子どもが帰るまでの1日を、『学級崩壊にならないためのポイント』を示しながら紹介していく。
基本的な流し方は、向山洋一氏の「全集4・最初の三日間で学級を組織する」に掲載されている再現を追試した。
ただし、6年担任で、「6年としての自覚」を持たせるために、谷和樹氏の「黄金の三日間DVD」をテープ起こしして、追試した。
また、「学校に来る理由」は、伴一孝氏の「長崎向山塾」に掲載された部分を追試した。
向山洋一氏の流れに、谷氏・伴氏の所信表明を組み込んだ、黄金の三日間1日目の実践である。
第1日目
7:45 登校
他の先生にお願いをして、花を生けてもらうようにする。
8:00 全教室を見渡しながら、挨拶をしていく
<ポイント1>挨拶は、基本的に教師から行う。
特に担任する学年の子は、向こうから挨拶した子をチェックしておく。
あとでほめることができる。
8:30 職員朝会
8:50 着任式
<ポイント2>着任式で、態度のよかった子をチェックする。
①話している人の方を、ずっと見て話を聞いていた子
②姿勢のよかった子
③周りの子と話をしていなかった子
9:00 始業式
着任式と同様、態度のよい子をチェックしておく。
担任発表
<ポイント3>名前をよばれた時は、必ず大きな声で返事をして、前に立つ。
「名前を呼ばれたら返事をしよう」の最初の指導になる。
9:30 入学式の準備
指示は短く端的に行う。
明日は、新しく1年生の子が入学してきます。
その時に、『いい学校だな』と思ってもらえるように学式の準備をします。
無駄な動きをしなければ、45分ぐらいで終わります。分担を言います。
①アーチ作り・・・3名
②1年児童席(17席)・・・3名
③保護者席(25席)…3名
④来賓席(15席)…4名
⑤教職員席(14席)…3名
⑥花プランター運び…4名
※自分の仕事が終わったところ
男子…会場の中で、終わっていないところの手伝い・掃除
女子…1年生教室のセッティング
<ポイント4>入学式の分担は、前日までにやっておく。
決めておかないと、あとで文句が出る。
10:30 学級指導
(1)座席の決定
背の順に並びなさい。前から順に前の席に座っていきます。
(全員が自分の机が決まった時点で)
出席番号順に、こちらから並んでいきます。
最後に、席替えに関する決めごとを言っておく。
<ポイント5>「先生は、席替えをしません。1年間このままで行きます。」
と宣言をしておく。
伴一孝氏の追試である。
このように言っておくことで、実際に席替えをするときに、教師の都合に合わせて席を移動しても文句が出なくなる。
(2)所信表明演説
机の上のものを、全て机の中に片付けなさい。
姿勢、背筋をまっすぐに伸ばしなさい。足は地面につけなさい。
以下、実際に話したシナリオを掲載する。
<自己紹介>
一応初めて会うということなので、自己紹介をします。先生の名前は、堀田和秀といいます。
生まれも育ちも洲本市、今もその洲本に住んでいます。
このT小学校に来て、3年目になります。
一昨年、Oくんのお姉ちゃん、Hさんのお姉ちゃん、Fさんのお兄ちゃん、Mさんのお姉ちゃん、Yさんのお兄ちゃんを担任しました。
1年間、明るく、楽しく、すごしたいと思っています。
<質問コーナー>
先生に何か聞きたいこと、質問がある人は、手を挙げてください。
どんな質問でもかまいません。ただし、1人1つだけにします。
※質問を受けたときに、
①「~ですか。」という、丁寧な言葉を指導する。
②具体的に質問することを指導する。
<所信表明>
(伴一孝氏の追試)
大切なお話をしますから、先生の方へおへそを向けなさい。
みんながこの学校に来ているのには、2つのことがあります。1つは、学校にお勉強をするために来ているということです。もう1つは学校に友だちと仲良くするために来ているということです。
先生は、みんなのことを今よりもずっとずっと賢くするつもりです。でも、先生1人の力では無理です。みんなの協力が必要です。
だから、学校に来たら、一生懸命お勉強をしましょう。そして、クラスの友だちと仲良くして、楽しい1年間にしましょう。
(谷和樹氏の追試)
また、6年生ということで、5年生のときより厳しいことが2つあります。
6年生は、T小学校の司令塔です。頭脳なのです。6年生が悪ければ、学校すべて悪い、6年生がよければすべてよい、と見られます。
ですから、6年生として大切なことが2つあります。
一つ目。6年生は学校全体のことを先にする。自分たちのことは後回し。例えば、授業をやっていても、ゲームをやっていても、「体育館に椅子を並べてほしい」と言えば、中断をして椅子を並べに行く。休み時間であろうと、中断して仕事をすることもあります。去年の6年生も、そうやって仕事をしてきました。6年生の大切な仕事です。
二つ目。6年生はみんなのお手本になります。「6年生のようになりなさい」というのが、指導の基本です。他の先生も「6年生がきちんとしているから、みんなもきちんとしなさい。」と指導されます。例えば、「廊下で暴れてはいけません」ということがあった。でも、6年生が廊下でゴロゴロと暴れていた。これはダメです。「だって、6年生もやってるもん」と、小さい子は言います。他の学年に示しがつかないの
で、これは、注意せざるを得ない。
<叱る3つの原則>
堀田先生は、大変優しい先生といううわさがあります。
でも、ひとたび怒ると、大変怖いらしいです。どれぐらい怖いかというと、一昨年の6年生の元気な男の子が、ボロボロと涙を流したぐらい怖いらしいです。
堀田先生が怒る時は3つあります。
一つ目。自分でも他の人でも、命に関わる危険なことをした時。
二つ目。何度も何度も注意しているのに、直そうという努力をしない時。
三つ目。いじめやいじわる、人の失敗を笑うような時。
この時は、ものすごく怒ります。でも、それ以外のときは、とってもやさしい堀田先生です。
当然のこととは思うが、次のポイントは押さえておきたい。
<ポイント6>シナリオを練習しておく。
途中で「えっと」などの言葉が入ると、子どもに足元を見られてしまう。
(3)筆箱の中身を確認する
みんなお勉強ができるようにするために、筆箱に入れてくるものを先生が決めました。
学級通信を出しなさい。
筆箱の中身は、
①Bか2Bの鉛筆5本、②赤鉛筆2本、③白い消しゴム1個、④ミニ定規1本、⑤ネームペン1本、⑥4Bの鉛筆1本
だけにします。それ以外は、絶対に入れてきません。
ここまで指示を出して、質問を受ける。
<ポイント7>質問は受けるが、筆箱の中身については、譲らない。
譲ってしまうと、学級崩壊の足音が聞こえてくる。
(4)教科書を取りに行かせる
1年間みんなが使う、大切な教科書を持ってきてほしいと思います。お願いできる人?
※手を挙げた子をほめ、取りに行かせる。
※持ってきたら、教科書を配る。「はい、どうぞ。」「ありがとう。」の指導をする。
(5)連絡帳を書く
明日の連絡を書きます。連絡帳を出しなさい。新しいページ、開けたら開けました。
あとで見せてもらいます。読めない字を書いたら、書き直しです。
<書く内容>
授業:学活、入学式、学活、国
宿題:教科書に名前を書く
持ち物:お道具袋、国語の教科書、おはし、歯磨きセット
配り物:
書けた人から、先生のところにもっていらっしゃい。
すばやく評定していく。
とてもきれい :A
普通に読める :B
読めない(書きなおし):C
<ポイント8>最初の連絡帳の評定は、厳しいが上にも厳しく!
最初が肝心。ここをはずすと、1年間雑な字を書き続ける。
11:15 一斉集団下校
帰りにじゃんけんゲーム。勝った子から、先生と握手をしてさようならをする。