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先生の顔

酒井式「顔の描き方」を習得させるシナリオ。手で顔を触りながら集中して一つ一つの顔のパーツを描いていくと、生命感があふれる作品になる。

原実践は、酒井臣吾氏。

先生の顔

準備物

八つ切り白画用紙、八つ切り黒画用紙、油性ペン、新聞紙(油性ペンの跡が机に付かないように、白画用紙の下に敷く。)

指導のあらまし

(計1時間)

4月に教室掲示用として、「自分の顔」を描かせることが多い。子どもにいきなり「自分の顔」を描かせると、少しでも納得のいかない線を描いてしまった時に、「僕は、こんな顔じゃない。失敗だ。」「こんなの嫌だ。描き直したい。」となる。1年間教室掲示作品となるのだから、当然だ。
「先生の顔」であれば、どうなっても、「先生のほっぺを、ポッチャリかわいくしてくれてありがとう。」「髪の毛をよく見て描いたねえ。」と、一生懸命描いた線ならば何でも褒めることができる。成功体験を積ませて、図工のスタートを切ることができる。「自分の顔」を描かせる前に、「先生の顔」で顔の描き方の練習をさせることをお薦めする。

人物の顔(顔がテーマで、顔を大きく描く場合)は、「鼻」→「口」→「目」「まつ毛」「眉毛」→「あご」「輪郭」→「耳」→「髪の毛」の順番で描いていく。この順番を、まず黒板に描いておく。

説明 . 1

(八つ切り画用紙から顔を出して)先生の顔の大きさは、このくらいです。

説明 . 2

まず、鼻の穴を描きます。(八つ切り黒画用紙から、鼻を出して見せる。)

指示 . 1

画用紙の真ん中あたりを指で押さえます。そこに先生の鼻の穴を2つ描きます。

指示 . 2

次は小鼻を描きます。先生がやるからよく見ていてね。鼻の穴には指がすっぽり入るよね。そこから横に行くと、くるっと丸くなっている。これが小鼻。そして鼻の骨があって、上に向かっていくと段々細くなって…。鼻はここまで。みなさんも、人差し指を2本出して、やってみよう。(先ほどやった通りに、言いながら、ゆっくりと鼻の形を確認する。)

指示 . 3

鼻を描きましょう。

指示 . 4

次に、口を描きます。口はただの丸じゃないんだよね。上の唇は、山みたいになっているね。こっちが上の唇で、下の唇と繋がっているね。みんなも触ってご覧。

指示 . 5

口の場所に指を置きます。(素早く机間巡視をして、確認する。)描きましょう。口は閉じていてもいいし、開いていてもいいです。(黒板で閉じた口、歯が見える笑った口を描いて見せる。)

指示 . 6

次は、目です。先生と一緒に、ゆっくりと自分のまぶたを触ってみよう。始めは上まぶた。スタートはここ。目頭。上まぶたには毛があるね、これは、まつ毛だね。そして下まぶた。下まぶたにもまつ毛があるね。最後のここは、目じりって言うんだね。目を描きましょう。

眉毛は、内側から外側に向かって、短い毛が生えていることを触りながら確認する。

指示 . 7

眉毛を描きます。短い毛を一本一本描きましょう。

説明 . 3

次は、顔の輪郭です。顎から描きます。口の下のこの、硬い所が顎です。そこから上に行くとぽちゃぽちゃの柔らかいほっぺがあって、ごつごつした頬骨があって、こめかみがあるね。自分の顔を触ってご覧。

指示 . 8

(まず、顎から描いて見せる。)このように顎から描きましょう。

説明 . 4

次は、耳です。お隣さんの耳をよく見てご覧。耳の中が、ごにょごにょしているね。耳の場所はね、先生の顔をよく見てご覧。目の横ですね。

指示 . 9

耳を描きましょう。

説明 . 5

髪の毛を描きます。頭のてっぺんから、髪の毛は、流れていますね。(自分の髪の毛を引っ張ったり、摘まんだりさせて、髪の毛の長さと流れを触覚を通して感じさせる。)

指示 . 10

髪の毛を一本一本描いていきましょう。

眼鏡をしている場合は、最後に描く。

指示 . 11

眼鏡のこの部分から、描いていきます。(描き方を黒板で示す。)

子どもは不安になりながらも、果敢に挑戦し、描いている。教師は子どもが一つ描いたら大いに褒め、また一つ描いたら大いに褒める。これを繰り返していくと、どの子も自信をもって楽しく描くことができる。

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