向山型作文指導「私は教室の窓から外をながめていました」
向山洋一氏による短作文指導。向山型作文指導には共通した型が認められる。型に合わせて「私は教室の窓から外をながめていました」の授業を行った。

向山型作文指導「私は教室の窓から外をながめていました」
向山型作文指導の中で「1時間の授業」として行われた指導として有名な実践が3つある。
1 「文を長く書く」授業
2 「書き出し」の授業(クライマックスから書く書き出し)
3 「私は教室の窓から外をながめていました。」の授業
どれも子ども達が熱中する授業だ。
この3つの指導は共通した型で指導が可能だ。
① まず書かせる。
② 個別評定をする。
③ もう一度挑戦させる。 ①で書いた作文と③で書いた作文が激変する。
もう一つ、この3つの指導に共通しているのは、
局面を限定している
ということだ。
指導項目に絞って書く内容を限定する。だから、力がつくのである。
1 まず書かせる
次の例文を示す。
A 私は教室の窓から外をながめていました。
そっくりそのまま写しなさい。書き終わった人は「終わりました」。
「書けた人」を確認する。
「私は教室の窓から外をながめていました。」Aの文を読みます。「私は」さん、はい。
全員音読する。
Aの文に続くようにBに一つの文を入れます。ノートに書けたら持ってきなさい。
持ってきた子のノートにチェックの○をつけ、黒板にBのみ書かせる。
黒板に書いた子には他のパターンをノートに書かせる。
2 個別評定する
作品にABCで点をつけます。黒板の右の人からAとBの文を続けて読みなさい。
子ども読み上げる。
個別評定する。黒板にA~Cを書いていく。
評価基準は以下の通り。この評価基準はここでは子どもに言わない。
A 意外な展開をしていておもしろい。
B 普通。よくありがち。
C 文がつながらない。
すべて個別評定してから問う。
Aの作品はどうしてAなのでしょう。
数名に聞く。
「面白い」
「意外な展開を見せている。」
「ユーモアがある。」
もしもA作品がない場合は教師が例示する。「死ぬまでずーっとながめていました。」
そうですね。そのようなものがAになります。
3 もう一度挑戦させる
もう一度書き直して持ってきなさい。
同じく黒板に書かせる。10名程度で切る。
再度、同様に評定する。
4 第1席を決める
第一席を決める。
村野学級の第1席をAの作品から決めます。どの作品が傑作か考えながら聞きなさい。右端の作品から読み上げなさい。
挙手で第1席を決める。
本人に読んでもらい、拍手を促す。
作品例を示す。
A 私は教室の窓から外をながめていました。
B するとせんきょの車が私に一ぴょうととおりすぎていきました。
A 私は教室の窓から外をながめていました。
B 外をながめているうちに、校庭の門がしまっていました。