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運動方程式を導出する

運動の法則からの等式変形で運動方程式を導く展開の授業。
式を文章に直し、文章を式に直すということを繰り返し、言葉での理解を図る。
そのために、高校物理では使わないシグマ記号(Σ)を意図的に使う。

運動の法則の公式と公式を説明する言い方は、運動の法則の授業で学習済みである。

説明 . 1

運動の法則を復習します。

指示 . 1

運動の法則の公式をノートに書きなさい。

公式を書けたら「書けました」と言うように指示を出す。
活動の様子を見守る。
言葉の式でも、記号の式でもどちらでもいいです。と補足する。
ノート、教科書を見ていいです。ともいう。
書けましたの声が半数を超えたら、指名なし発表させる。
立候補がないときは列指名。

∝は比例を表す記号で、「比例」と読む
「a 比例 m分のF」
「加速度 比例 質量分の力」
「加速度a 比例 質量m分の力F」
どの読み方でもよい。

あっていたら○をつけさせる。

指示 . 2

この式を文章に直していいなさい。

「加速度は力に比例し、質量に反比例する」
忘れていて言えなければ、改めて教えて、言わせる。

説明 . 2

ペアワークをします。
まず、Aさんが公式をいいます。
次に、Bさんが文章をいいます。
終わったら交代します。

することを理解したか、様子を確認する。

生徒2名を起立させて、活動を例示させてもよい。

指示 . 3

ペアワーク、始め。

活動を見守る。

活動していないペアがいた場合は次の対応をするとよい。
2列の列指名で、起立させ、ペアワークをみんなの見ている前で取り組ませる。
次々に発表させる。
できたペアにはちゃんと練習していたことを褒める。
できないペアがいれば、できるペアの活動を聞かせ、最後に再挑戦させる。

説明 . 3

この式をかけ算の式に直します。

指示 . 4

ノートに書きなさい。

書けたら持ってこさせ、板書させる。

等式変形がわからない生徒がいるかもしれない。
逆数かけるを教えることが必要かも知れない。
活動の動きが収まってきたら、板書を見て答え合わせをする。

板書
力 ∝ 質量×加速度
F ∝ ma

できなかった人は写しておきます。
間違えた人は直しておきます。
写すことも大切なお勉強です。

説明 . 4

地球上の物体が運動するとき、物体にはたらく力は一つとは限りません。
だから、この式の力とは、合力のことなのです。
合力を一つの力と区別する書き方があります。
それは、これです。

Σ力
ΣF

発問 . 1

知っている人はいますか。

知っている生徒はいないと予想できる。
数学の得意な生徒で答えられる生徒がいるかもしれない。
いれば発表させる。

説明 . 5

この記号Σはシグマと読みます。
ギリシャ文字です。
全部足せという意味です。
そして、比例係数がちょうど 「 1 」 になるように、力の大きさを決めました。
その結果、式はこうなります。

先の板書に書き加える。

板書
Σ力=質量×加速度
ΣF=ma
説明 . 6

みんなの持っている教科書では、Σがついていません。
しかし、現象をきちんと考えるためには、Σがついていた方が考えやすいのです。
そして、外国の教科書では、Σがついているのです。

例えば、上記の本の402ページ中の96ページ(24%)に
ΣF=ma
の表記がある。

説明 . 7

ΣF=ma(しぐまえふ いこーる えむえー)
暗記します。

指示 . 5

覚えたら着席。
全員起立。

活動を見守る。
しっかり声を出している生徒、何度も練習する生徒、最後になっても覚えるまで練習する生徒、こうした生徒を取り上げて褒める。
早く座った生徒がいれば、テストのつもりで仕上げの練習をしていなさい、と指示する。

指示 . 6

写しなさい。

板書を写させる。

留意事項
教科書の公式が
ma=F
の順になっていれば、
教える際にも同じ記載順序を守る。