誰でもできる「同訓異字語」問題集づくり(学力調査問題対応)
同音異字語を「見つけ」,「問題をつくる」学習です。休み明けなどにも,簡単でどの子も作業をしながら楽しく取り組める授業です。

【1】「同訓異字語」のフラッシュカードを行う

「1分間フラッシュカードシリーズ」の1つ。
教育技術研究所(https://www.tiotoss.jp/)で購入できる。
使い方については,同HPで動画を視聴することができる。
授業者は,谷和樹氏(TOSS代表代行)である。
【2】同訓異字語の定義を確認する

(1)「会うと合う」「早いと速い」のような言葉を「同訓異字語」と言います。
(2)「同訓異字語」の条件は3つです。
①訓読みが同じ ②意味が近い ③漢字が異なる言葉
※「文化審議会国語分科会H26資料」を参考に定義した。
【3】同訓異字語をする

(1)「おりる」を漢字に直しなさい。(同訓異字の確認)
(2)「あつい」を漢字に直しなさい。(3つの場合あり)
(3)「かわる」はいくつありますか。(それ以上もある)
(4)「かみ:紙と神」はよいですか。(意味が遠いと×)
【4】国語辞典を活用する(注意点)
ポイントは,最初に同じ「同訓異字語」を国語辞典で調べさせることだ。「同訓・同音異字語」は辞書ごとのトピックがある。「同じような場所を見つけなさい。」と指示すると混乱がなくなった。この指導なしの時は,子どもたちは見つけられなかった。
【5】見つけた「同訓異字語」をノートに書かせる

次のように書かせる。
例)ひらがな□合う□会う(□は一字空き)
人数の多い学級なら,「ア行」「カ行」など指定して探させてもよい。短時間で,多様な「同訓異字語」を出すことができる。
【6】黒板に「ひらがな」で書かせる

(1)3つ書けたら持っていらっしゃい。
(2)黒板に書かれていないものを1つ書きなさい。
(3)書いたら,他にもないか探してノートに書きなさい。
※1人1つ以上書けるように配慮する。
【7】2種類のTOSSメモに読みと漢字を書く

(1)ピンクのTOSSメモに「読み」を書く。
(2)白のTOSSメモに「漢字を書く」
(3)他の「同訓異字語」についても繰り返す。
※色は「読み」が濃いほうがよい。付箋紙でも同様。
【8】TOSSメモを重ねて問題集を作る

(1)左の写真のように,2枚のTOSSメモを重ねて貼る。
(2)ピンクが「問題」。白が「答え」の問題集ができあがる。
(3)掲示する。コピーして配布も可。学級の問題集,〇〇さん
の問題集という形で活用できる。
【9】同音異字語を取り上げ次の学習につなげる

授業をすると必ず「同音異字語」も出てくる。「音読み」だから「同音異字語」という定義を確認する。その後,授業で探す,自主学習で探させるなどすると,あっという間に「同音異字語」の問題集もできる。
「見つける」は辞書を使って,「問題をつくる」は「写して重ねる」だけ。誰でもできます。
できる喜びを感じながら,かつ新しいことを知る知的興奮もあります。
また,全国学力学習状況調査でも,
「同訓(または同音)異字語」は出題される頻度が高いです。
教科書ではなかなか扱われない項目なので,このような学習を通して経験させたい内容です。