ベクトルの差(解説)
「ベクトルの差」を難しく感じる生徒がいる。その生徒に対する手立てである。定義と成り立ちを解説し、理解を深めるために演習問題を解かせる。

「ベクトルの差」に関しては以下のコンテンツをある。そのもう一歩突っ込んだ内容のコンテンツである。
(1)定義
\vec{b}+ \vec{\vphantom{b}x}となる\vec{\vphantom{b}x}を\vec{\vphantom{b}a}-\vec{b}とかく。\\ すなわち、\\ \vec{b}+ \vec{\vphantom{b}x}=\vec{\vphantom{b}a} \Leftrightarrow \vec{\vphantom{b}x}=\vec{\vphantom{b}a}- \vec{b} \\ \overrightarrow{\mathrm{OB}}+ \overrightarrow{\mathrm{BA}}=\overrightarrow{\mathrm{OA}} だから、\\ \overrightarrow{\mathrm{OA}}-\overrightarrow{\mathrm{OB}}=\overrightarrow{\mathrm{BA}}
教科書などに定義が書いてあるので、まずはそれをノートに写させる。
(2)成り立ち
平行四辺形の図から
\vec{\vphantom{b}a}+ (-\vec{b})=\vec{\vphantom{b}a}- \vec{b}
ノートにも「定義」と「成り立ち」など小見出しを付けるなどして、(1)と(2)は意味が若干異なることを(解説しなくてもよいので)入れるとよい。
(3)もう一歩の突っ込み
演習問題でミスを防ぐために、次のような問題を解かせるとよい。
① \vec{\vphantom{b}a}-\vec{b}
② \vec{b}-\vec{\vphantom{b}a}
問題はこのページの上部から、ファイル「ベクトルの差(演習)」をダウンロードしてください。
ベクトルの差は「始点同士を合わせること」が鉄則である。
①と②の意図として、「順番を考えさせる」ことをねらいとしている。
長さ5(赤色)と3(水色)の棒があります。それらの長さの差(緑色)はどんな式で求めますか。(5-3です)
つまり、棒の(終点)ー(始点)で求めています。
ベクトルの差も同様です。「(終点)ー(始点)」です。
「\vec{\vphantom{b}a}-\vec{b}」の上にも「(終)、(始)」とかきなさい。
ベクトル(矢印)をかきなさい。
念のために、成り立ちを確認します。「-\vec{b}」となるように「<」をかきなさい。
指でなぞります。(-\vec{b}をなぞらせながら)-\vec{b}、(-\vec{\vphantom{b}a}をなぞらせて)-\vec{\vphantom{b}a}
\vec{b}-\vec{\vphantom{b}a}も同様に解かせる。