「因数定理」の基礎・基本
『因数定理』は計算はそれほど難しくないが、意味がとらえにくい。教科書を読ませ、発問で意味を明確にしていく。この項で『高次方程式』と『因数定理の利用』につながるように、記述の型身に付けさせる。

1 授業のアウトライン
① 教科書の例示問題1・練習問題1(15分)
② 教科書傍用問題集(5分)
③ 例示問題2・練習問題2(25分)
④ 教科書傍用問題集(5分)
2 教科書の例示問題1・練習問題1はこう授業する
生徒によっては、剰余の定理でP(a)=0であることと、x-aはP(x)の因数であることが結びつかない。発問で結びつける。
教科書36ページ。冒頭から読みます。(因数定理のまとめまで読ませる)

①P(a)=0と等しいことは何ですか。できるだけたくさん隣にいいなさい。
(②x-aでわった余りが0です)(③x-aでわり切れます)(④x-aはP(x)の因数です)
①~④の事柄が同値であることが、わからないケースがある。さらに発問で結びつける。
P(x)をx-aでわった余りが0であることと等しいことは何ですか。3ついいなさい。
P(x)をx-aでわりきれることと等しいことは何ですか。3ついいなさい。
P(x)の因数がx-aであることと等しいことは何ですか。3ついいなさい。
因数定理とは何ですか。(P(a)=0とx-aはP(x)の因数であることと等しいことです)
代入して0になれば、因数が1つ決まります。
例4(1)を読みます。
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後は代入して、0になるかどうかを確かさせる。難しいそうにする生徒がいたら、以下のように剰余の定理を示すのがよい。
(1) P(2)=(x-2)Q(x)+18、(2) P(-1)=(x+1)Q'(x)+0(わり切れる)
問6も同様に解かせる。代入する数の候補は、下のノートのように見つけさせる。

「約数」をという言葉は伝わらないことがある。その場合はかけ算の形でかかせる。
代入する数の基本は「1」→「-1」→「2」→「-2」である(問6は異なるが、教科書はこれで解けるようになっていることが多い)。まずはこの4つの数を代入して、因数を見つけさせる。
このかき方は、後の『因数定理を利用した因数分解』『因数定理の利用』にも使うことができる。かく耐性をつけさせていきたい。
3 例示問題2・練習問題2はこう授業する
<解き方>
①P(x)=とおく
②定数項から因数を見つける
③わり算を行い、商を求める
教科書37ページ。例題2を読みます。(P(-1)=0になるところまでを読ませる)

初めに何をしますか。(P(x)=とおきます)
次に何をしますか。(定数項から、因数を見つけます)
次に何をしますか。(割り算を行い、商を見つけます)
1問を解くが長く感じる生徒がいるかもしれない。このページに入るまでに、前ページの例4と問5を簡単に終わらせるのではなく、教科書傍用問題集で練習させてから、例題2に入るのが望ましい。
下の画像は問7である。
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