うたにあわせてあいうえお(ひらがな指導)
教科書での初めての文字指導で押さえるべきポイント
初めてのひらがな指導。だれもが、上手に書けた、覚えられた、と思えるように、ポイントを押さえながら指導する。
本文を暗唱するくらい何度も音読した後に指導する。
今日から、ひらがなを書く練習をします。
もう書ける人もいるかもしれないけれど、書ける人はもっと上手に書けるように、初めての人も今日1日で覚えられるように練習しましょう。
「あかるいあさひだ・・・」の下に書いてあるひらがなは何でしょう。
子どもたちの反応を見ながら進めていく。
そう、「あ」ですね。これはとっても難しいけれど、大丈夫かな。
先生が黒板に書くから、よく見ていてね。
大きく「あ」を板書するが、書き順をわざと間違えて、2画目、1画目、3画目の順に書く。子どもたちから「順番がちがうよー」の声が出たらしめたもの。
「どうして違うとわかったの」と問うと、「一番初めは青く塗ってあるよ」と答えるであろう。
「よくわかったね、すごい。」と褒めた後、正しい書き順を確認する。このとき、「1画目、2画目・・」という言い方を指導する。
では、教科書の「あ」を、なぞって書きますよ。
まず、(右手の)人差し指を出しましょう。人差し指の指紋の付いた柔らかいところを1画目の書き始めにくっつけます。
全員がやっているかどうか確認しながら進める。
「1画目の最後まで指は離しませんよ。」と説明し、「いーち」と言いながら1画目をなぞって見せる。子どもたちにもなぞらせる。
「2画目は・・・・どっちだったっけ。」などと問い、「たて」という声が出たら「よく覚えていたね」と褒めながら2画目を「にーい」と言いながら見本を見せ、子どもたちにもなぞらせる。
3画目は長いけれど、指を離さないようになぞれるかな。かたつむりのようにゆっくりとなぞりましょう。
と言って「さあーーーーーん」と言いながら見本を見せてからなぞらせる。
今度は、先生が「いーち、にーい」と言いますから、それに合わせてゆっくりとなぞりましょう。
3回ほどなぞらせた後、空書きをさせる。
今度は空中に「あ」を書きますよ。空に書くから「そらがき」と言います。先生と一緒に「いーち、にーい」と言いながら書きますよ。
教師は左手の人差し指で空中に大きく鏡文字の「あ」を書く。
同様に「い」「う」「え」「お」を指導するが、初めてで5文字は多いので、1時間目は「あ」のみ、2,3時間目は2字ずつやるとよいだろう。
「あ」の3ページほど後のページに、「あいうえお」を書くページがあるので開かせる。
まず鉛筆を持ち「指の訓練」をする。「鉛筆つまんで 持ち上げて、すうっとたおして中指まくら」と言いながら持たせ、芯の先を自分に向けて親指・人差し指・中指の3つの爪が見えるかを確認させる。更に3本指で鉛筆をくるくると回す練習をさせる。指先で持てていないと回せないからである。1年生のうちは、どの授業でも鉛筆を持つときには呪文のように唱えさせるとよい。
それから姿勢。「足は・・・ぺったん、背中は・・・ピン、おなかと背中に・・・グー1つ、紙をおさえて、さあ書こう」と言いながら確認する。
では、1番左の濃い「あ」を書きますよ。
1画目、ゆっくりとずれないように「いーち」。
2画目、少し力を入れて「にーい」。
3画目、かたつむりのように鉛筆を紙から離さないように「さあーーーーーん」。
と、子どもたちの様子を見ながら書かせる。
書けたら次は薄い字をなぞらせる。ここはなぞるだけなので、ゆっくりずれないよう注意して各自で書かせてもよいだろう。
なぞり書きができたらひとまず鉛筆を置かせる。
最後は自分1人で書きますよ。
「あ」のマスを見てごらん。4つのお部屋に分かれていますね。
4つのお部屋に名前が付いています。左上が「1の部屋」右上が「2の部屋」、左下が「3の部屋」、右下が「4の部屋」です。
1画目はどの部屋からどの部屋まで書くといいかな。
「1の部屋から2の部屋まで」という声が聞こえたら、「そうですね」と言いながら左上の隅から書く真似をする。「違う違う」と言わせながら、「じゃあここかな」などとわざと違う場所から書く真似をする。こうすることで、子どもたちは正しい位置がどこか気付いていく。同様に、1画目の終わりの位置もわざと間違えながら見本を見せた後、「では、左の字をよく見ながら、1画目をかきましょう」と書かせる。
2画目、3画目も、書き始めや曲がりの位置などを確認しては書かせる。
1人で書いた「あ」に惜しみなく花丸を書いて褒める。次の時間への意欲となる。