プログラミング的思考を意識した電磁石の学習
フローチャートを作ることで電磁石の実験を論理立てて説明できるようにする実践

フローチャートは、作業の流れや処理の手順を図式化したものである。プログラミング的思考の育成には、重要であり、使えるツールである。子どもたちは大人より吸収が早い。理科ではものを使って思考を整理することができる。5年生の理科の実験単元の代表である電磁石の実践を例に紹介する。
実際に、電磁石を作りながら、フローチャートを教え、完成させていく。一時一事の原則を意識しながら進めていく。
実験しながらフローチャートを教える
図を写します。(①のみ写す)

言葉は短く、写すことで学ばせる。
以下は黒板に教師が書いたフローチャートを写して、作業させることを繰り返していく。
実際に百回巻かせる。
エナメル線の両端を削ります。(③まで写す)
乾電池を用意してつなぎます。(④まで写す)
クリップを近づけます。(⑦まで写す)
ここで、クリップがくっつく子とくっつかなかった子が出てくる。100回巻きのコイルを初めて作った場合、あまりうまくいかなかったパターンが経験から多い。

NOからが理科の楽しさだ!
実験させた後で子供たちに聞く。
クリップがつかなかった人?(挙手をする)ここからが本題です。
この図(フローチャート)のどこに戻ってやり直せばよいですか?
ここではやり方を教えるとして、一つの例を示す。
エナメル線の削り具合を見直します。何番のフローチャートに戻りますか?
③である。
③番に戻る前に、やることは何ですか?
エナメル線の削り具合を確かめる。
フローチャートはこのようになります。

③に戻ってまた進んで、電磁石完成まで進みます。
クリップがつかなかった人は、例をもとに自分のエラーのところまで戻りながら実験
させる。
電磁石が完成した子には、次のような発問をする。
クリップがたくさんつくようにするためには、何番を工夫したらよいですか。
このフローチャートではエナメル線の巻き数を増やせば磁力が強まることに気づく
子がいる。そこから、フローチャートを工夫させていくとよい。