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「導関数」の基礎・基本(DL可)

前半は「微分係数」と「導関数」の違いを明らかにする。後半は、微分係数の違いに注意して導関数を求める。可能ならば次の微分につなげるために、定数から3次式を求めさせるのが望ましい。

1 授業のアウトライン

① 教科書の例示問題1・練習問題1(35分)
② 教科書傍用問題集(5分)

2 教科書の例示問題1・練習問題1はこう授業する

コンテンツを使って導関数の導入を行う。(『導関数の導入』のコンテンツをダウンロードしてお使いください)

指示 . 1

読みます。(ある1点は「微分係数」、x全体は「導関数」)

説明 . 1

今日は導関数を求める勉強です。

説明 . 2

復習です。微分係数は、関数のある1点の傾きを表していました。

説明 . 3

関数です。

説明 . 4

関数上に点を打ちます。

説明 . 5

その点の関数の傾きを「微分係数」といいました。

説明 . 6

もちろん、この点は関数上であればどこでもよいです。(スライドを動かす)

説明 . 7

このことを表にします。微分係数が変化しているようです。

指示 . 2

数の代わりにxを入れることで関数になります。この関数を「導関数」といいます。

説明 . 8

xは全範囲に動かしてもよいです。
xを実際に動かしてみます。(スライドを動かす)

指示 . 3

読みます。(ある1点は「微分係数」、x全体は「導関数」)

発問 . 1

復習です。微分係数の定義です。
x=aaは「ある1点」ですか、それとも「x全体」ですか。(ある1点です)

aはあと何か所ありますか。(2か所です)
aをすべて囲んで、線で結びなさい。
これらのaはすべて「x上のある1点」です。

発問 . 2

次に導関数です。xに〇して、「全体」とかきなさい。

xはあと何か所ありますか。(2か所です)
xをすべて囲んで、線で結びなさい。
これらのxはすべて「関数上のx」です。

発問 . 3

2つの定義を並べました。違いは何ですか。(微分係数は「ある1点」、導関数は「x全体」です)
xが「ある1点」か「全体」かの違いですね。

指示 . 4

教科書135ページ。問題を入れ替えます。例題1(2)を読みます。(答えまで読ませる)

入れ替えた理由は、(1)より(2)のほうが簡単であるからである。

(2)関数 f(x)=x(導関数を求める)

指示 . 5

教科書をそっくりそのまま写しなさい。

指示 . 6

同じようにして、次の問題を解きなさい。(同ページ、問6)

関数f(x)=x^2の導関数がf'(x)=2xであることを確かめなさい。

f(x+h)-f(x)=(x+h)-x=h
よって
\begin{eqnarray} f'(x)&=&\lim_{h \rightarrow 0}\frac{f(x+h)-f(h)}{h}=(x+h)^2-x^2=2xh+h^2\\ &=&\lim_{h \rightarrow 0}\frac{2xh+h^2}{h}\\ &=&\lim_{h \rightarrow 0}{2x+h}=2x\\ \end{eqnarray}

指示 . 7

次に、例題1(1)出来たら持ってきなさい。

例題1は「3乗の公式」を使う。忘れている生徒が想定できる。私は以下のように指導している。公式を黒板にかくなどして、簡単に復習する。

定数項の導関数も同ページに載っているので、早くできた生徒に写させてもよい。