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自由端反射の変位を考察する

固定端反射に引き続き行う。入射波の変位と反射波の変位の合成が起こるという固定端反射の理屈を自由端反射に応用することが試される。

固定端反射の授業から引き続き行う。
固定端反射の特徴を自由端反射との対比で理解させる(佐々木基)

1コマの授業内で固定端反射と自由端反射を連続して実施できない場合は、実験を演示するところから始める。

発問 . 1

自由端反射の場合、山が入射すると山が反射しました。
このとき合成波の変位は入射波と同じですか、違いますか。

指示 . 1

答えがまとまったら、ノートに書きなさい。
理由も書くんですよ。

書く時間を3分見込む。
手の動きを見て、動きの止まった生徒が1/2を越えたら発表させる。

挑戦者が自由に起立して発表する「指名なし発表」で対応する。

指示 . 2

発表。どうぞ。

評価の観点は以下の3つ。

(1)山が入射すると山が反射する。
(2)つまり、入射波と反射波の変位が同じ。
(3)したがって、合成波の変位=入射波の変位+反射波の変位=入射波の変位×2

それぞれの観点について発表できれば30点を与える。
3つ全部を発表できれば100点満点を与える。

という内容が発表できればよい。
どんな発表内容であっても、肯定的に評価した上で、個別評定での採点は辛口でつける。
例えば、「発想が独創的だ。5点」というように。

生徒からの発表がなければ、教師が説明する。
正しい説明のしかたを確定した上で、板書する。

板書
自由端反射では
(1)山が入射すると山が反射する。
(2)つまり、入射波と反射波の変位が同じ。
(3)したがって、合成波の変位=入射波の変位+反射波の変位=入射波の変位×2

指示 . 3

ノートに写しなさい。
3分で写します。

書き写しの終わった生徒が出たら、「見ないで言う練習をしていなさい」と指示をする。

指示 . 4

自由端反射では、合成波の変位が2倍になる理由をお隣に説明しなさい。

T:始め。
と声をかけると一斉に取り組み出すことが多い。
「黒板をチラッと見ても良いですよ」と声をかけると苦手な生徒も安心する。

得意な生徒が説明して苦手な生徒は聞き役で終わりがちである。
T:交代してやります。
と声をかける。

演習

説明 . 1

台風が接近したとき、海の波が防波堤や岸壁を乗り越えることがあります。

出典:地域情報サイトジモッシュhttps://zimosh.com/
ホーム > ニュース > 【動画速報】台風14号・中津市(田尻港)の様子 9/17(金) 18:00更新掲載の写真
掲載許可取得済み

発問 . 2

写真を見ると、防波堤にぶつかった波の波高はぶつかる前の波高より遙かに高いですね。
なぜですか。

指示 . 5

お隣に説明しなさい。

「台風による大波が自由端反射すると、入射波と反射波の合成が起こり変位が和(2倍)になるから」
という内容が言えればよい。

T:説明できた人(挙手)。
できばえを自己判断させる。
自信を持って挙手をする生徒、笑顔で挙手をする生徒にはジェスチャーで承認を示すとよい。

説明していないのに挙手している生徒に気づいた場合は、起立させて発表させる。
T:○○君、起立。発表してください。
説明が不十分であれば、正しい説明を示した上でもう一度練習させる。
これは叱っているのではなく、学習活動を確保しているのである。笑顔で対応する。
T:もう一度、ペアワーク。始め。

指示 . 6

教科書の問をやります。

教科書には、反射波を作図させる問が載っていることが多い。
固定端反射も含めて取り組ませる。
ただし、注意すべきことがある。
手を置かせて静かな状態で説明する。

説明 . 2

作図では、入射波、反射波、合成波の3つの波を書きます。

この3つの波が書いてあれば、答えが間違っていたときに、考え方の間違いに気づきやすくなる。
「3つの波が書いてなければやり直し」といってもいいくらいである。

指示 . 7

教科書に書き込みなさい。
できたら、持って来なさい。

授業支援アプリを利用しているなら、書き込み部分を写真にして配信し、写真上に書き込みをさせてアプリ上に提出させてもよい。