早く終わってしまった子への指導方法
小学校通級指導教室での実践。2年生から6年生まで、毎時1~3人の指導をしている。その中で、早く課題が終わった子への指導方法を列挙した。今年度異動したため、実質、出会って1か月の子どもたちへの指導。以下8つ列挙したが、通常学級での指導でも使える部分があると考える。
以下、現在指導している15人のうち特徴的な子を記す。
A.学力低位2年生女子。
B.落ち着きのない2年生男子。
C.指示に従わず勝手な行動の多い4年生女子。
D.反抗的な言動が多い(私にはまだ無い)5年生男子。
E.なげやりで、やる気のない5年生男子。
F.学力低位5年生男子。
G.落ち着きのない6年生男子。
本文中の、箇条書き枠囲み最後の英字は、特に効果のあった子。

- 教科書の次のページ眺めていていいよ。あ、読んでいてもいいよ。えらいねえ。次の時間ヒーローだよ。内緒で当てるからね。答えわかってるでしょ。(特に効果のあった子:G)
主に算数の時間に使います。「眺めていていいよ。」「あ、読んでいてもいいよ。」の順でいうと、抵抗感がないようです。「予習させておきました。」と、あとで担任の先生に伝えておきます。
- 花丸ちょうちょ、植木鉢。(特に効果のあった子:A.B)
「ウットリくん」などをさせておくと、「花丸ちょうちょ」の描き方を覚えます。まだ時間が余ったら、ちょうちょの数を増やしたり、葉っぱを描かせたり、色をぬらせたりします。
- 「見直し。」「テストはね、0が1個ないだけで×だよ。線が1本足りないだけで×だよ。裏にも名前がないと×だよ。単位がなくても×だよ。」(特に効果のあった子:D.E.F)
市販テスト、漢字10問テストのときなどに使います。
- 静かに読書。
教室後方に絨毯を敷き、テーブルを置いています。その上に絵本などをたくさん並べ、自由に見ていいことにしています。後ろのロッカー上には本棚を置き、ロッカー下にも10冊ほど本を立てかけています。書店のような空間を作っています。
- 宿題のはずだった計算スキル残り問題。
「赤ねこ計算スキル」を採用している学年の子には、教科にかかわらず毎回持ってこさせています。ドリル採用の学年の子も、ドリルの様式によっては持ってこさせています。親学級のシステムにより、この課題を与えることもあります。
- 休憩。3分ね。3分たったら先生が何かお手伝い頼むから待ってて。(特に効果のあった子:A.B.C)
何もしないでボーっとしていていい時間をつくることもあります。3分に時間を区切ります。その間に、手伝ってほしいことを考えます。板書を消す、カルタを片付けるなどです。15人が通級していますが、これまで、このかたちでの手伝いを嫌がった子はいません。
- 日付とページ数確認。ちゃんと書いてある?定規使ってる?(特に効果のあった子:C)
このあと子どもからノートを借りて、ページをさかのぼって見ていきます。日付とページ数が書いてある部分に赤鉛筆で全て丸をしていきます。4年生の女の子が喜びました。以来、日付とページ数を書く習慣ができていました。自分で教えてくれました。
- 社会科資料集の「まとめ」大事だからノートに写しておいて。(特に効果のあった子:F)
高学年の子たちには、どんな教科のときでも、毎回社会科資料集を持ってこさせています。まとめ視写のほか、グラフの読み取り(①表題②出典③年度④縦軸⑤横軸)などをさせることもあります。今月初め、5年生の男の子が市販テストで「100点を取った。」と教えてくれたことがありました。担任も喜んで教えてくれました。