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元素20個を暗記させる指導

化学学習における元素記号は英語学習におけるabcである。フラッシュカードを用いて、確実に習得させる。1年生で暗唱できるようになり、3年になっても忘れずに言えることをやって見せてくれる生徒が何人も出る。

用意するもの
フラッシュカード(表が元素記号、裏が元素名)
11Hから2040Caまで20枚

1日目

指示 . 1

教科書。
表紙の裏。

説明 . 1

元素の周期表が載っています。
元素記号は、英語の勉強を刷るときのアルファベットと同じです。
スラスラ言えて、スラスラ書けなければ化学の勉強が捗りません。
特に大事な20個を暗記してもらいます。

説明 . 2

勉強の仕方を説明します。
一度に5個ずつ、4回に分けて勉強します。
5回目に、20個をまとめてスラスラ言えるようにします。
6回目以降は、ほんのちょっと復習するだけです。

指示 . 2

最初の5個。
先生のあとについて言います。

フラッシュカードの表裏を見せながらゆっくり言う。

水素。「水素」
水素。「水素」
ヘリウム。「ヘリウム」
ヘリウム。「ヘリウム」
リチウム。「リチウム」
リチウム。「リチウム」
ベリリウム。「ベリリウム」
ベリリウム。「ベリリウム」
ホウ素。「ホウ素」
ホウ素。「ホウ素」

ほんの少し、速く言う。

水素。「水素」
ヘリウム。「ヘリウム」
リチウム。「リチウム」
ベリリウム。「ベリリウム」
ホウ素。「ホウ素」

指示 . 3

みんなだけで。

「水素」
「ヘリウム」
「リチウム」
「ベリリウム」
「ホウ素」

フラッシュカードをめくるスピードをほんの少し速くして2回目を行う。
表面(元素記号)だけを見せて言わせる。
追い読み2回。
追い読み1回。
生徒だけ1回。

さらに速くして3回目。

指示 . 4

目をつぶって。

指示 . 5

指を折りながら、リズムを取って。

指示 . 6

右半分(の生徒だけで)。
左半分。

指示 . 7

前半分。
後ろ半分。

指示 . 8

この列起立。
さんはい。

全ての列を順番に起立させて、列の生徒全員そろえて言わせる。

指示 . 9

チャレンジャー。
暗唱に挑戦する人はいますか。

初日は、フラッシュカードを用いた学習の仕方を含めた指導になる。
20分程度の時間をかける。

2~4日目

2日目:炭素、窒素、酸素、フッ素、ネオン。
3日目:ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン。
4日目:硫黄、塩素、アルゴン、カリウム、カルシウム。
1日に5つだけ、取り組む。
1日目の指導で、何をするかを理解しているから、2日目以降は丁寧さよりもテンポを優先して指導する。
言わせ方のバリエーションは1日目に示した方法を基本とするが、変化させてもよい。
10分弱程度の時間をかける。

5~7日目

フラッシュカード20枚を使って、取り組む。
20個全部言わせるが、取り組む時間は10分以内を心がける。
指折り、リズムとりをさせた方が、暗唱の成功率が高まる。
5日目は、5つごとにブレスを入れて、言わせる。
6日目は、10個目にブレス1回にする。
7日目は、ブレスなしで20個言わせる。
何回も読ませるが、読ませ方は変化をつける。
小さな声で言う。隣と交代で言う。超高速で言う。一人1個の渦巻き読み。‥。

8日目以降

取り組む時間は3分程度。
生徒の習熟度を見て、1回言わせるだけでもよい。
フラッシュカードなしで暗唱に取り組んでもよい。
時間制限を設けて、挑戦意欲を煽る。15秒以内。10秒以内。最速5秒を目指させる。
10秒以内に言えるようになったら暗唱テストに挑戦させるとよい。
合格者に判定者をさせてもよい。

暗唱テストに合格できない生徒については、練習に付き合うということが必要になる。
練習は、教師生徒双方の都合で、休み時間や放課後に行う。指折り、リズムとりを必ずさせる。突っかからずに言えたら練習を終了する。
その上で、授業中の暗唱テストで合格させる。

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