「ちょっと立ち止まって」主な指示・発問
中1光村国語教材「ちょっと立ち止まって」、新潟・山田先生の「文章の要点」の追試。山田先生とのメールのやり取り、修正案もあります。(TOSS群馬ML推薦) No.1118084 http://www3.ocn.ne.jp/~chigiran/tyoto.html

本教材について、法則化中学新潟いなほの会の山田高広先生が、すでに実践を発表している。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~y-tora/osaka/tyotto-top.htm
に、詳しい。
山田先生の3時間目の実践は、「文章の要点」と「具体的説明の文」を指導するものである。
私は「文章の要点」と「具体的説明の文」というとらえ方を、山田先生の実践から学んだ。これを、
そのまま追試した。(以下、発問や指示の紫色の字は、山田先生の実践からそのまま引用したもの。)
私はこの授業の前に、問題提起文と、答えの文を授業した。分かりずらく、失敗した。ほとんど私の
誘導で授業を進めた。この教材では、やるべきではないと考える。
1,新出漢字練習
2,「文章の要点」と「具体的説明の文」の指導
指名なし音読をします。1人1回だけ、必ず立って読みます。
形式段落については、前時までの段階でつけておいた。(山田先生は形式段落をつかさせるところから授業が始まっている。)
また、指名なし音読に慣れさせるために、列指名でなく、指名なし音読で音読させた。1人1回と指定し、全員に読ませた。クラス22名全員が読んだ後は、全員起立させ、残りを微音読させた。
この後は、山田先生の実践にほぼ忠実に追試した。
指示2,P36の1番目の◇マークを指で押さえなさい。
指示3,読んでみてください。さんはい。
私は、題名の隣の◇マークを読ませたことは、多分一度もなかった。勉強になった。
押さえさせた後、隣同士で確認させた。
説明1,「文章の要点」とは、「筆者の言いたいことをまとめた文のことです」
発問1,第1段落から第5段落の文章で、文章の要点となる1文はどれですか。
指示4,教科書に、鉛筆で線を引いた人から持ってきなさい。
山田先生の解説の通り、線を引けた生徒の教科書をチェックした。この時点で線が引けた生徒は半数程度。
難しかったようだ。特に女子が考え込んでいた。
発問2、全員起立。第1段落から第5段落でまとめてある段落は何段落ですか。
ノートに書きなさい。書けたら座ります。
ここでは、はじめに座った生徒は5段落であると答えた。挙手をさせると、ほとんどの生徒が手を挙げた。残り数人が1段落であると答えた。
1段落は問題提起であることを伝え、5段落が正解であると言った。不正解者には、赤鉛筆で正しく5段落と書かせた。
発問3、第5段落にはいくつ文がありますか、数字をノートに書きなさい。書けたら書けましたと言います。
文について知識があやふやであったので、句点から句点までが一文であることを再確認した。その後、隣の行に何文かを書かせた。もちろん2文である。全員正解した。
発問4、第5段落で、長い文は何番目の文ですか。○番目の文と書きなさい。
これも30秒ほどで答えさせた。挙手で確認した。全員2文目であると答えた。
発問5、では、短い文は何番目の文ですか。全員で言いなさい。さんはい。
大きな声で答えられた。
説明2、まとめてある文というのは、短いのが普通です。
発問6、まとめてある第5段落で、まとめてある一文は1番目の文ですか、2番目の文ですか。全員で言いましょう。
さんはい。
指示5、1番目の文を定規で線を引きなさい。上の余白に「文章の要点」と書きなさい。書けたら、先生に見せなさい。
私も、山田先生の実践で教えていただいた。とても新鮮で知的な情報であった。生徒も、納得してい
た。
山田先生の実践では「文章の要点」「文の要点」「要点の文」と3通り出てきている。もしかしたら、
使い分けしなくてはいけないことなのかもしれない。ただ、私の授業にかけたとき、私ではこれをうまく
説明することができなかったので、全て「文章の要点」で統一した。
説明3、それでは、2番目の長い文を何て言うか。これを「具体的説明の文」と言います。具体的ですから、長くなったり、たくさんの文が書かれます。
指示6、(1)「具体的説明の文」と言ってごらんなさい。さんはい。
(2)念のため聞きます。2番目の文は、どういう文ですか。さんは い。
(3)1番目の文は、どういう文ですか。さんはい。
時間がないので、ここでは発問ではなく、説明とした。スッと流した。
指示7,第6段落から第9段落まで全員で読みます。さんはい。
発問7,全員起立。第6段落から第9段落までで、文章の要点となる一文を探し、線を引きなさい。引けたら座りなさい。
指示8、隣同士、見せ合いなさい。隣近所と見せ合いなさい。
指示9,バラバラでもいいですから、自分の線を引いた文を読みなさい。さんはい。
説明4、正解は、p40、7行目「同じ図でも、近くから見るか遠くから見るかによって、全く違う絵として受け取られるの
である。」です。
指示10、その文に線を引きなさい。
指示11、念のため聞きます。第6段落から第9段落までの文章の要点となる文を読みなさい。さんはい。
指示12、(1)念のため聞きます。それ以外の長い文、多くの説明は、どういう文ですか。さんはい。
(2)では、「同じ図でも、近くから見るか遠くから見るかによって、全く違う絵として受け取られるのである。
」というまとめている文は、何と言いますか。さんはい。
指示13、そうだ、文章の要点だ。線を引いた教科書の上の所に、「文章の要点」と書きなさい。書いたら、書けましたと言いなさい。
ここは短い文でないので、文章の要点を見つけるのは難しいかと思われたが、80%程度の生徒は正解した。
間違えた生徒は、ほとんど7段落の各文に線を引いていた。「念のため」の確認がくどいかと思われたが、生徒は喜んでついてきた。
指示14、第10段落を全員で読みます。さんはい。
発問8、全員起立。この段落の文章の要点となる一文はどれですか。
指示15、その文を指で押さえなさい。ヒントは、最後ですから、筆者が読者に主張しているところを探すのです。
押さえた人から座ります。
指示16、その文に線を引いたら、持ってきなさい。
見てみると指示15で、3ヶ所に分かれていたようなので、持ってこさせた。○か×をつけていった。
×をつけられた生徒は、2度目、3度目には合格になった。
ちなみに10段落の3文目に初めから線を引き、正解した生徒は70%程度であった。残りの28%程度が4文目で、残りの2%程度が2文目であった。
発問7の答えが、かなり長い文になってしまったため、「文章の要点は短くまとめてある」という感覚がやや弱かったのかもしれない。
発問6の後、10段落をすれば「文章の要点は短くまとめてある」は混乱なく受け入れられるような気がした。ただ、それだと「発問7をどうするか」、また「笑顔で授業を終えるという授業の組立が崩れる」・・・という2つの課題が残ると感じた。
指示17、その文に線を引き、上に「文章の要点」と書きなさい。
とても知的で分かりやすく、楽しい授業となった。