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高音が美しく吹けない生徒の指導
リコーダーで高音が美しく吹けない生徒に対しての確認事項。これらを解決してやることによって、必ずできるようになる

リコーダーで高い音を演奏する時に、サムホール(裏穴)にわずかな隙間をつくる。これをサミングと言う。
高音が美しく吹けない生徒に対しての確認事項は以下のとおり。
1.サミングの隙間が広すぎませんか。
2.息が弱すぎませんか。
3.どこかの指に隙間がありませんか。
これらを一つずつ解決してやることによって、必ずできるようになる。
1.サミングの隙間が広すぎませんか。
「親指を半分あける」と思っている生徒がたくさんいる。でも、
アルトリコーダーで半分も開けたら、高音は出ない。
指示 . 1
半分も開けたら開けすぎです。(はっきり言う)
指示 . 2
髪の毛1本分開けなさい。
指示 . 3
シャーペンの芯1本分開けなさい。
などの指示が使われる。いずれも、わずかな隙間を意識させるための具体的な指示である。
2.息が弱すぎませんか。
サミングの隙間が狭くても、息が弱いと音が出ない。
フーやホーはダメ。トゥーよりももっと厳しいタンギング
指示 . 4
ピーで強く吹きなさい。
指示 . 5
ティーで強く吹きなさい。
などの指示が使われる。いずれも、薄くて硬い息を意識させる。
3.どこかの指に隙間がありませんか。
1.2.でも音が出ない時は、運指そのものに原因があると考える。
指を一つ増やすごとに音を吹かせ、どの指に原因があるか見つける。
たいていは左手の中指や薬指が丸まっていることに原因がある。
自分で直せなければ教師がその指を上から押さえてやるとできる。
指示 . 6
教師が指を押さえてやって、「ピーで強く吹いてごらん。」
指示 . 7
「いまの2倍の強さで吹いてごらん。」と声をかける。
たった一つの音だけれど、一瞬でも必ず全員に吹ける喜びを味わわせてやりたい。