北方領土の授業 導入編1 日本の最北端を確認する
稚内市宗谷岬に「日本最北端の地」と書かれた碑がある。たくさんの観光客が、その碑をバックに記念写真を撮る。誰も、その間違いを指摘しない。「主権」よりも「観光」が優先されているのである。私は、ここから領土教育をスタートさせる。

授業は稚内市宗谷岬の位置を地図帳で確認することから始まる。
そして、次のように問う。
発問 . 1
宗谷岬で撮った写真を見せます。
どこに《間違い》がありますか。。
「日本最北端の地」が間違いである。生徒もすぐに気づく。なぜなら、最北端の地は択捉島のカモイワッカ岬である。北方領土に最も近い北海道でも、この程度の認識である。
稚内市が宗谷岬を「最北端の地」としてPRしたいのは理解できる。観光客がたくさん訪れるからだ。だが、領土は国家の主権に関わる問題である。レベルが違いすぎる。宗谷岬に「日本最北端の地」が掲げられている以上、北方領土に対する国民意識は高まらないだろう。教師が想像する以上に北方領土への意識は低いという現実を踏まえた上で授業を進める必要がある。
発問 . 2
どこに《間違い》がありますか。
宗谷岬にあるドライブインである。
生徒はすぐに間違いを発見する。
その後、地図帳で「最北端の地=択捉島」であることを確認する。