『オツベルと象』第二日曜の「あれども見えず」
授業するほどに新たな面が見えてくる教材、「オツベルと象」。
本稿では、その「第二日曜」の扱い方について述べる。
http://homepage2.nifty.com/kyojyu/takekurabe02.htm

「第2日曜」を追い読みさせた後、設定の〈所・時〉を軽く扱う。
・話の舞台はどこですか。
・何日間のできごとですか。
オツベルの企みとは、どんなことですか。
箇条書きで3つ書きなさい。
書けたら、ノートを持ってこさせる。
3つの正解には、別々に赤鉛筆で丸をつける。
1 税金を口実にして、白象に仕事をさせたこと。
2 (白象の力を減らすために)えさのわらを減らしていったこと。
3 (白象を逃がさないために)重りをつけていったこと。
仕事の量を増やしている、という意見が出るかもしれない。
この時点では、大いに褒めて、「1」の意見に含めておく。
1 税金を口実にして、白象に仕事をさせたこと
「すまないが税金も(が)~」という会話文を3箇所挙げさせ、下手に出た巧みな頼み方であることに触れる。
仕事の量が増えている、という意見が出されましたが、本文のどこから分かりますか。
次のような意見が出るだろう。
・「その昼過ぎに五十だけ」が「その昼過ぎの半日に」「半日」「朝から」に変わっているところ。
・仕事の3日目に、白象が「疲れたな」と言っているところ。
・仕事の内容が、「水くみ五十(杯?往復?)」「薪運び九百把」「炭火吹き半日」となっているところ、。
「オツベルは白象にただ仕事をさせたのではなくて、仕事の量を次第に増やしていったんだね。すごいな!読みが鋭い!」
2 えさのわらを減らしていったこと
わらが「十把」から「八把」「七把「五把」と減っていくことを、問答形式で答えさせながら確認した。
象は一日にどのくらいの量のえさを食べるのでしょうか。
生徒はまるで見当がつかない、という表情をする。
種類や性別にもよりますが、オスの象は一日に150kgも食べるそうです。
驚きの声が上がる。
仮にわら一把が1kgだとしても、十把では10kgにしかなりません。えさは最初からわずかな量だったのですね。
3 重りをつけていったこと
オツベルが白象につけたものを、ノートに順に書きなさい。
「ブリキの時計」「百キロの鎖」「張り子の靴」「四百キロの分銅」
オツベルが本当につけたかったものはどれですか。
・鎖と分銅
時計と靴はカムフラージュであることを押さえておく。
本当の狙いが鎖だというのは、どの言葉から分かりますか。
ノートに書いて、持ってきなさい。
生徒が熱中すること、間違いなしである。
・その前足に(P37L3~4)
鎖は100キロなのに、分銅が400キロなのはなぜですか。
鎖を前足につけ、分銅は後ろ足につけた。白象を働かせるために、前足は利かせたかったのではないだろうか。
生徒それぞれに考えさせたい。