3年生国語の授業 1時間目 巻頭詩「遠くに見える木」を知的に授業する 『新編 新しい国語 三年 上』(東京書籍)
最初の授業で、国語の授業のシステムを教えることができる。

1.題名の横に〇を10個書く。
(1)鉛筆で、題名の右側に○を10個書かせる。
題名の文字は大きいので、本文の文字と同じ大きさの丸を書かせる。
(「小指の爪の大きさで」と指示する先生もいる。)
(2)これ以後、1回読むたびに、赤鉛筆で丸を1個ずつぬる。
(3)家で読んだ分もぬってよいことを告げておく。
(4)10個全部ぬってしまったら、その横または空いているところに丸を10個かき、読むたびにぬる。
2.読み方の練習をする。
(1)教師が範読をする。
(2)追い読みをする。
(3)教師と子どもの交代読みをする。(役割の交代もする。)
(4)男女交代読みをする。(役割の交代もする。)
(5)3回読んだら座る。(座ってからも小さな声で読む。)
3.「一字読解」をする。
「一字読解」とは、1問1答式で教師が問題を出し、1問ごとに教師または、指名した子が答えを言い、子どもが自分で丸をつける間違っていたら、バツをつけて、次の行に正しい答えを書く。
そのために1行あけて書かせてある。
テンポよく進めていく。
問いに正対した答え方をさせるために、年に2~3回行う。
今回、国語の第1時間目に、以下のように授業をした。
学年が始まって国語の授業の1時間目であるので、ノート指導のための普段は言わない指示も含まれている。
日づけを書きなさい。
書いたら「書きました」と言います。
「書きました。」
丸一番(①)と書きなさい。
書いたら「書きました」。
「書きました。」
題名はなんですか。
できたら持っていらっしゃい。
1字あけているところができているか見るために、持ってこさせた。
通常は、教師が答えを言って、子どもは自分で丸をつける。
(とおくに みえる き)
1行あける。言います。
「1行あける。」
丸二番(②)。
「丸二番。」
お隣同士で確認。
「できています。」
作者は誰ですか。ひらがなでもいいです。
(間をおいて、)○○さん。(指名する)
「岸田衿子です。」
あっていたら丸。違っていたら、直しなさい。
1行あける。丸三番(③)。
この詩を読んでいる人にとって、どんな木ですか。
「どんな木」ときかれたら、「なになにの木」と答えます。
( だいすきな き)
1行あける。丸四番(④)。
この詩を読んでいる人は、いつくるのですか。3文字で。
あした
丸五番(⑤)。
木は、どこに立っていますか。2文字で。
そこ。
4.「分析批評」で授業をする。
「分析批評」とは、文にある言葉を根拠に読み取っていく。
明治図書から出ている『思考力を育てる学年観点別「分析批評」小学3年編』などのワークを使えば、指導案もついていて、だれにでも授業できる。(低学年・3・4・5・6年、中学と出ている。)
「分析批評」には、読み取るための「ものさし」がいくつもある。
今回は、「作者」と「話者」について知り、そのうえで検討する。
この詩を読んでいるのはだれですか。
・岸田衿子さん
・だれかほかのひと
詩を書いた人を、作者といいます。
この詩の作者は、岸田衿子さんです。
この詩を読んでいる人は、岸田衿子さんかもしれませんが、
もしかしたら、岸田衿子さんがだれかになりきって、読んでいるかもしれません。
作者と違う人が詩を読んでいる場合、詩を読んでいる人を「話者」といいます。
話者はどこにいますか。
話者と木を図にかきなさい。
人は棒人間、木も簡単にかいたのでいいです。(下図のように板書する。)

ノートを持ってこさせ、丸をつける。「ノートにかいた」という意味で、全員に丸をつける。
友達と違う考えなら板書させる。
どうしてそう考えたのか、発表させる。
*一番多かった図

*考え方がユニークな図

