「アップとルーズで伝える」実践記録(平成29年度版教科書)
光村図書の説明文教材の実践記録。文章構成、段落同士の関係の学習、必要に応じた要約、筆者の説明の仕方、アップとルーズの説明を行った。
1時間目 ・・・ 黙読、読み聞かせ、初めの感想(全員発表)
「アップとルーズということを初めて知った」
「テレビや新聞は、アップとルーズを使い分けて伝えていることがわかった」
という感想が出た。
文章について詳しく読み取った後、自分たちの身近な印刷物でアップとルーズを見付けて紹介し合おうという単元のゴールを設定した。
2時間目 ・・・ 音読、辞書引き
音読の学習と文章中で使われている語句についての確認を行った。
3時間目 ・・・ 文章構成、段落同士の関係をとらえる
単元の学習として、教科書には次の目標が掲げられている。
【段落どうしの関係をとらえ、説明の仕方について考えよう】
今回の単元の中心となる学習。
子どもたちに、文章全体を4つに分けさせた。
わずか8段落の短い文章である。
しかし、子どもたちからは、7通りものの分け方が出された。
どの分け方が適切か。
接続語や段落に書かれている内容を読み取りながら、段落同士の関係を考えさせた。
話し合いの結果、次の分け方がよいという結論になった。
①②③ / ④⑤⑥ / ⑦ / ⑧
話題の提示 アップとルーズの説明 写真について まとめ
4、5時間目 ・・・ アップとルーズの説明(必要に応じた要約)
単元のゴールである「身近なアップとルーズの紹介」をするためには、アップとルーズとは何かを正しくつかんでおかなければならない。
アップとルーズをそれぞれ75文字以内で要約させた。
学習の流れは、次の通り。
①要約したいことに関連する文を見付け、教科書に線を引く。
②個人でノートに要約文を書いてみる。
③グループで要約文を見せ合う。
④グループの代表者が黒板に要約文を書く。
⑤どの文がよいか、みんなで要約文を検討する。
同じ内容を要約しても、個人個人、班によって個性が出る。
違いを抽出し、より分かりやすい要約はどれかを話し合った。
6時間目 ・・・ 筆者の説明の仕方のまとめ
教科書を読み、筆者の説明の仕方について押さえた。
7時間目 ・・・ アップとルーズの紹介、原稿作成と発表練習
新聞、広告、雑誌、家の写真など、アップとルーズの説明に使えるものを家からもってこさせた。
次のような発表原稿をノートに書かせ、練習を行った。
これは、【 】のルーズの写真です。~ということが伝わります。
これは、アップの写真です。~ということが伝わります。
~感想~
これで発表を終わります。
8時間目 ・・・ アップとルーズの紹介
テレビ画面に印刷物を投影しながら、発表を行った。
子どもたちは、次のような写真をもってきた。
・水族館のチケット ・焼き肉の広告 ・花
・運動会のエイサー ・読み聞かせ ・公園
・ペンギンの本 ・卒園式 ・池の水抜き
・芋掘り ・料理本(ハンバーグ)・月
・海水浴 ・野球の新聞記事 ・国際会議 など…
一番盛り上がったのは、ホオジロサメの写真。
魚を食べる瞬間のアップ写真の迫力に、みんなが声を上げた。
※3時間目の学習は、スラッシュ分割法で行いました。
本実践についてのより詳しい解説が、次の本にあります。
『「国語」授業の腕が上がる新法則』P.110~113