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最初が肝心!子どもが安全に演示実験を見るためのルール作り

理科室で実験を行うときは、安全を確保することが最も重要だ。教師が演示実験を行うとき、3つのルールを徹底することで子どもたちは安全に演示実験を見ることができる。
もちろんルールは教師の考えやクラスの実態に応じて変更する。しかし、基本的に教えてほめる、できなかったときはやり直させることの繰り返しで、どの子も安全に演示実験を見ることができるようになる。

理科の学習では、教師が演示実験をして見せることがある。
しかし、いざ子どもたちを集めようとすると、なかなか集まらなかったり、移動するときにトラブルが起きたりする。
そこで、私は、安全を確保するために指導方法を工夫した。
4月、最初に理科室を使うときに、演示実験を見ために前に出るとき3つのルールを徹底させていくことにしたのである。
次のようなルールである。

演示実験を見るために前に出るとき徹底する3つのルール

①走らない。
②しゃべらない。
③椅子は入れる。

これらのルールを必ず復唱させてから、子どもたちを集めるようにした。
もし途中1人でも走ったりしゃべったりしたら、最初からやり直しである。
初めのころは、5回も6回もやり直すことがあったが、だんだんやり直しの回数も少なくなった。
指導を初めて半年もすれば、1回でできるようになった。

実践方法

次のようにして、3つのルールを子どもたちに復唱させた。
なお、一番最初の指導のとき、できていないときはやり直しをさせることは伝えておく。

教師:実験をします。しゃべら?   子ども:ない!
教師:走ら?              子ども:ない!
教師:椅子は?            子ども:いれる!
教師:出てきなさい。

このように3つのルールを復唱させても、走る子やしゃべる子、椅子を入れない子はいる。
そんなときは、叱らなくてもいい。淡々とやり直しをさせるのである。
次のようにする。

はい、やり直し。もう一度。

あとはできるまで、この繰り返しである。
できている子をほめながら、全体でやり直しをさせていく。
完璧にできたら、初めて演示実験をするようにする。
もちろん3つのルールは、教師の考えやクラスの実態によって変わってくる。
また、私は演示実験を見るときの並び方をある程度固定しておいた。
何も言わずに演示実験を行ったとき、見える見えないでケンカが起きたからだ。
背の低い子が前にしたり、支援を要する子は先生の横にしたりするだけでも、トラブルを未然に防ぐことができた。

私の場合、とにかく最初が肝心だった。
4月最初の指導のとき、ちょっとしたほころびも見逃さないことが大切だった。
最初にきちんと指導しておけば、教師は1年間安全に演示実験を行うことができた。
私の学級では、最初は5回、6回とやり直しがあった。
しかし、2学期からはやり直しは1回あるかないかだった。

私は年度初めから取り組んだが、学期途中からでも十分取り組むことは可能だ。