落書きを見つけたときの指導
落書きを予防するには、常にきれいな状態にしておくことである。きれいにしておけば、きれいな状態をほめることができるし、もとの状態に戻しておきなさいと言える。変化に気づくのも早い。もし、落書きや破損を発見した場合は、法律から教える。最後は生徒の自主的な行動に訴える。
学年集会での指導場面である。

1 法律を教える
公園や道路にある物を傷つけたり汚したりしてもいいですか?
「いけないと思います。」
知っていた人?
『刑法第261条(器物損壊罪)・・・3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料』『軽犯罪法第1条第33号・・・拘留又は科料』
科料とは『1、000円以上10、000円未満のお金を払うこと』です。払えなければ1日以上30日以下の期間、刑務所に留置されることになっています。
だから、学校の物を傷つけたり汚したりしても犯罪になります。落書きは犯罪なのです。」
なぜ、犯罪になるのですか?
知らなかった人?
全員が挙手。
挙手なし。
2 落書きも犯罪
では、学校の物は、人の物ですか、自分の物ですか?
「人の物を傷つけたり汚したりしたからです。」
「そのとおりです。自分の物だったら犯罪にはなりませんね。」
「人の物です。」
「みんなの物です。」
そのとおりだと思う人?
全員挙手。
次は、ゆっくりと真剣に言う。
「悪いと思います」
同様に続けて3、4名にたずねる。
どう思いますか?
自分たちが使っている物は自分たちできれいにしましょう。誰か勇気を出してやってくれる人はいませんか?その人にクリーナーを渡します。
悪いと思う人?
全員挙手。
3 善行を立候補させる
ところで、汚くなったところをこのままにしておいていいですか?
悪いことです。誰からも嫌がられることです。
でもね、人間たまには間違いもします。大事なのは二度としないことです。
「良くないです。」
「消した方がいいです。」
「恥ずかしいです。」
良くないと思う人?
全員挙手。
ちょっとだけでもきれいにしようと思う人はその場に立って下さい。
静まりかえっている中、5名の男子が立つ。
ありがとう。先生はとても嬉しい。5名はこの場に残って下さい。他にもやる気のある人がいたら残って下さい
結果、3名が残り、計8名が立候補してくれた。
落書きを叱ったり注意したりするだけでは,生徒の心に訴える力は乏しい。
社会的な規範を教え,生徒の良心に訴える指導をしたい。