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向山実践「漢字パズル」ー追試のポイント8

向山実践「漢字パズル」の授業。追試するときのポイントを入れて、誰でも追試してもらえるようにした。

(1)図をかき、やることを具体的に示す

授業開始と同時に、黒板に下の図を黙ってかく。
黙って書くことで、子どもたちは「何をかいているのだろう」と集中力が増す。

【ポイント1】図は、黙ってかく

説明 . 1

この図の中に、たくさんの漢字が隠れています。

発問 . 1

たとえば、何がありますか。

1,2名を指名する。「田」や「山」などが出る。
黒板の図に黄色チョークでなぞることで、どこにその漢字が隠れているのかを教える。
何をやるかがイメージできなかった子も、「例示を示す」ことである程度理解することができる。

【ポイント2】「例示を示す」ことで、学級全員を授業に巻き込む

指示 . 1

ノートに、「①田 ②山」と書きなさい。

例示で出てきた漢字をノートに写させる。
ノートに写させることで、今日の授業でのノートの書き方を教える。

指示 . 2

この図に隠れている漢字を、できるだけたくさんノートに書きなさい。

これで、ほとんどの子どもたちは一気に熱中する。

ここまで指示しておいて、学級全体を見る。何をやるかイメージできていない子は、鉛筆が動かない。教師は、ここで初めて個別指導に入る。分からないこのところへ行き、教えてあげればよい。
全体に指示を出しておき、その後個別に指導する。向山型の基本である。

【ポイント3】「全体→個」で、指示を出す

(2)黒板に書かせ、探した漢字を共有する

作業をしている間、教師は机間巡視を行う。誰が、何個書けているのかをおおよそ把握しておく。
中盤の子が「8個」書けたら、次のように指示する。

指示 . 3

8個書けた子、手を挙げなさい。
黒板に、8個全部書いてらっしゃい。

8個書けた子が、黒板にすべての漢字を書く。
8個書けた子が複数名いた場合は、1名を指名して書かせる。

【ポイント4】最初は「8個書けた子」を指名し、黒板に書かせる

この「8個」は、向山氏の経験則である。
8個の子を指名することで、子どもが熱中するのである。

8個書けたら、次のように指示する。

指示 . 4

これに、まだ3つ足せる子?

3つ付け加えられる子が、ザッと手を挙げる。
手を挙げた子の中から、1名を指名して黒板に書かせる。
教師の優しさで、「みんな出てきて書きなさい」とやってはいけない。子どもの熱中度が下がる。
1名に指名し書かせることで、「あーっ、書かれた!」という状況が生まれる。子どもたちは、食い入るように黒板を見ている。だから熱中するのだ。

【ポイント5】黒板に書くのは、「1名ずつ」

指示 . 5

まだ、3つ足せる子?

3つ足せる子を、1名ずつ前に出して書かせていく。
ここで、次のように言う。

指示 . 6

自分が書いていない漢字があれば、ノートに書いていいですよ。

「写すことも勉強のうち」、学習における大切な原理原則を教えていく。

3つ足せる子がいなくなったら、次のように言う。

指示 . 7

2つなら付け足せる子?

これを、しばらく続ける。

2つ足せる子がいなくなったら、次のように言う。

指示 . 8

1つなら付け足せる子?

この「3→2→1」の順が大切である。
最後に1つ付け足せる子を聞くことで、1つだけを大切に持っている子が活躍できる。
最後まで残っている漢字は、極めて難しい漢字か、他の子には想像も付かない漢字であることが多い。
発達に特性を持った子が、このような漢字を持っている。
彼らを意図的に活躍させることができるのだ。

【ポイント6】「3つ→2つ→1つ」の順で、黒板に書かせる

(3)最後に、「もう一歩詰める」

黒板には、次のようにズラリと文字が並ぶ。(4年生での実践)

説明 . 2

みんなで、こんなにたくさんの漢字を探すことができましたね。
本当にすごいです。これからのみんなとの生活が楽しみになりました。

これからの授業や学級に、期待を持たせるように話をする。

発問 . 2

全部で、いくつありますか。

数を数えさせる。上の黒板では、44個になる。

指示 . 9

みんなのノートには、もちろん44個以上の漢字が書かれていますよね。
まだ書けていない子は、ノートに写しておきなさい。

最後に、「きちんと勉強するんですよ」というメッセージとして、ノートに写させる。
難しいことではない。途中で、「写してもよい」と指示しているのだから、指示通りやらせることが大切である。

【ポイント7】ノートにすべての漢字を書いているかを詰める

(4)休み時間や家でやってもよいことを伝える

この学習は、授業が終わっても続けて探している子が1~2名必ずいる。
そこで、次のように付け加える。

指示 . 10

休み時間や家で探してきてもいいですよ。

このように話しておき、次の国語の時間にチェックする。
必ずやってきている子がいるので、「すごいなあ。休み時間や家でもやってくるなんて。先生、嬉しいなあ」とその子をほめる。
コピーを取って、教室に掲示してあげてもよい。

【ポイント8】休み時間や家で探してきた子をほめる