チョコレートから見たモノカルチャー経済とその問題(検定授業)
2021年6月のTOSS愛知合同例会で、1回目のD表検定の授業に挑戦したときの授業である。この授業で、D表30級を認定頂いた。
この授業では、グラフや写真の活用や読み取りなどを通して、モノカルチャー経済の特徴及びその問題点を理解させていく。また、日本人の多くが消費しているチョコレート、およびその原料であるカカオ豆を例に取り上げることで、モノカルチャー経済を取り巻く問題について、身近に関わっている問題としてとらえさせることを目的としていきたい。

チョコレート、好きな人?(挙手を促す)
材料はこれです。ジャン!
「カカオ豆」言ってごらん。(生徒:カカオ豆)
「世界の主要国チョコレート国内消費ランキング」。日本入ってるね。何位ですか?
さんはい!(生徒:○位)
今日は、日本と関わりの深い、チョコレート、カカオ豆について勉強するよ。
まず、カカオ豆に関する円グラフを見るよ。
生産国割合。一番割合が多い国はどこですか?言ってごらん。(指名)
カカオ豆の輸出国割合。一番、多い国は?
言ってごらん。
どっちも1位ですね。コートジボワールの主な輸出品見ても、カカオ豆多いね。
3つのグラフ。どれを見ても、カカオ豆多いね。
他の国も見ましょうか。
ザンビア。主な輸出品は何ですか?言ってごらん。(指名)
ボツワナは。言ってみて。(指名)
ナイジェリアは?ハイ!(指名)
3つのグラフ。何か共通点があります。共通点はなんでしょうか?
グラフを見て、気が付いたことや、思ったことを口々に言ってごらん。
なるほど。色んな意見が出てきたね。
このように1つのものに依存する経済。「モノカルチャー経済」といいます。
言ってごらんなさい。(生徒:モノカルチャー経済)
具体的にどんな経済ですか?
赤い文字、読みます。さんはい。
こういう経済を何経済?
もう一回、言ってごらん。(生徒:モノカルチャー経済)
さて、コートジボワールですが、生産国割合も、輸出国割合も常に1位ですね。
これは、コートジボワールがたくさんカカオ豆をつくっている。たくさん輸出しているから、豊かになっていると考えていいですか?(全体に問う)
豊かだという人?いや、違うという人?
データ見てこうね。
「カカオ豆輸出額の推移(コートジボワール)」。
推移の折れ線グラフ。輸出額の増減を表しています。
2010 年から 15 年にかけて、輸出額の推移は、どう変化しているでしょうか?
気づいたことや、思ったことを口々に言ってごらんなさい。
よく見ると、輸出額は上がったり、下がったりしてるよね。これは安定しているかしてないか。
安定してる?していない?
安定していないですね。
ということは、国は豊かになりうるでしょうか?なる?ならない?
正直、豊かになりづらい。貧しいです。収入がいつも入ってこないからです。
じゃあ、なぜ不安定なのか、まとめてみたよ。
不安定さの主な原因。赤文字、確認で読むよ。サンハイ!
じゃあ、もう一つ。農家の1日の収入も見ましょうか。
日本。1日のある農家の収入、約 3,000 円くらいです。
日本と比べて、コートジボワールはどうでしょう?高い?低い?
なるほど。現実を見ます。
ジャン!感想を。
これは、物価の変動もあるでしょうが、中々生活は厳しいでしょうね。これがモノカルチャー経済の現実です。
今日、勉強したモノカルチャー経済について、日本人の私たちも関係しているかもしれません。
これから私たちができることを考えていこう。
授業を終わります。