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【高校生物】共生~相利共生・片利共生・寄生の関係を押さえる授業~

「変化のある繰り返し」の授業技術を駆使して、高校生物における共生の関係を習得させる授業。

発問 . 1

(ミツバチの写真を見せて)この生物、何?(生徒 ミツバチ)

説明 . 1

ミツバチは花から蜜をもらいます。

発問 . 2

では、花にはどんなメリットがありますか?(生徒 花粉を運んでもらう)

説明 . 2

このようにお互いに利益のある生物の関係を「相利共生」といいます。

発問 . 3

(先生の写真を見せて)この生物は何?(生徒 笑、人、人間)
※先生の写真を出すと生徒は盛り上がる

発問 . 4

人と猫(写真を提示)これは「相利共生」の関係になっていますか?
お互いにどんな利益がありますか?
(生徒 人は癒し、猫はエサをもらう)

発問 . 5

夫婦は「相利共生」?
(生徒 相利共生、相利共生じゃない)

説明 . 3

異種の生物同士が密接な結びつきを保って生活する関係を「共生」といいます。つまり、夫婦は共生ではないのです。

発問 . 6

では、人とウイルスは「相利共生」?
(生徒 ちがう。)

説明 . 4

人は体調不良になり、ウイルスは増殖できる。
このように片方に害があり、片方に利益がある共生関係を「寄生」といいます。

説明 . 5

このウイルスの関係について、神戸大学ウイルス学研究室の中屋敷教授は次のように語っています。
「ヘルペスのように、それがいることで他の菌に感染しにくくなっている、と報告されているものがあります。
あるウイルスのおかげでわれわれの体は他の菌やウイルスに対して強くなる。つまり、ワクチンを打っているようなものだといえます。」
つまり、ウイルスがいることで、病原体への耐性を得られる場合もあるわけです。

発問 . 7

体制を得られる場合は、何共生?
(生徒 相利共生)

発問 . 8

人の顔にはニキビダニというダニがいる。ニキビダニはエサや住処を人の顔からもらっている。では、人にメリットはあるかな?
(生徒 ない、むしろデメリットがありそう)

説明 . 6

実はニキビダニは特に影響を与えていません。ただいるだけ。
このように、片方に利益はなく、もう片方に利益がある共生関係を「片利共生」といいます。

説明 . 7

つまり、共生の関係には、お互いに利益がある「相利共生」、片方のみに利益がある「片利共生」、片方には利益があるけど片方が害を受ける「寄生」の三つの関係があるのでした。

発問 . 9

では、次の図にある生き物のイラストを見て、共生関係を探し、何共生か、またどちらがどのように利益や害を受けているかを示しなさい。

このように概念と具体を変化させながら繰り返し習得させることで、生徒自身が自ら共生について思考できるようになる。