1年化学2 加熱器具の安全な使い方2 マッチのパフォーマンステスト
すでに日常生活では,ほとんど使うことのないマッチだが,災害時やキャンプなどでは,役に立つ技能となるだろう.小森栄治氏は,パフォーマンステストの手法を使って,生徒が夢中になる組み立てにしている.特に手先が器用な生徒が活躍する授業になる.その授業の追試である.
パフォーマンス・テスト(実技試験)を実施します.何回挑戦してもかまいません.
全員が必ず合格しましょう.
全員を先生一人で試験していては,時間がかかりすぎてしまいます.そこで,先生に見てもらって合格した人には,「確認者」の資格を与えます.まだ合格していない人は,確認者になった人に見てもらい,合格したら確認者の欄にサインをもらって下さい.確認者のサインがあれば,先生が合格のはんこを押します.
ときどき,抜き打ち試験を行います.これは,確認者のサインをもらった人に対して,先生が直接パフォーマンステストを実施することです.
この抜き打ち試験で不合格になった場合には,その人にサインした確認者も合格取り消しとなります.いい加減にサインをしないように注意しましょう!
このような押さえをしておくことで,生徒が確認者になっても,いい加減に合格を出さなくなる.
合格のポイントです.
①ぞうきんを水で濡らして,机の上に用意してから火をつける.
②燃えさし入れに,水が入っていないとダメ.
もえさしがたくさん入っていたら,流しにあるもえさし捨て用のザルに捨てる.
③マッチの火を消すときは,吹き消したり,振って消さない.
燃えさしいれの水につけて消す.
教科書p132を見なさい.
マッチの使い方を読みなさい.
火を大きくする持ち方です.下向きに持ち、軸木に火をつけます.
教師が実際にやって見せる.
火を小さくして長持ちさせる持ち方です.火がついたら上向きにします.
教師がやって見せる.
実験が終わったあと,ぞうきんをきちんと折って,水道にかけておきましょう.
燃えさし入れのマッチは,流しのざるに捨てておきましょう.
片付け方まで,指導しておくのがポイント.
生徒たちは,パフォーマンステストの内容だけでなく,片づけも上手になる.
一人一回練習をします.
準備をしなさい.
「火の用心4か条」通りに準備をさせる.
①いすを中に入れ,全員立って実験をする.
②ぬれぞうきん,マッチのもえさし入れを用意する.
③机の上に余計なものを置かない.
④万一,事故が起きても騒がない,あわてない.
一人目の人,マッチを持ちなさい.
全体に目を配る.
大きな声を出す生徒がいる場合は,事前に注意を促す.
二人目,三人目と続けていく.
練習の時間をとります.
テストを受ける準備ができた人は,先生を呼びなさい.
しばらくすると,教師を呼ぶ生徒が出てくる.
この一人目を,厳しく評定することが大切である.
火の用心4か条が,少しでも間違えたり,詰まったりしたら,即,不合格とする.
また,火をつける動作も厳しくチェックする.
厳しくすることで,生徒は合格を目指して,一生懸命に取り組むようになる.
また,一人目のテストは,練習を止めて,全員注目のもとで行うのもポイントである.
二人目からは,「誰が一番に合格するか」という意識が芽生え,教師が指示しなくても,注目が集まる.
合格者がでたら,その生徒を確認者として巡回させる.
確認者が5名ぐらいになると,教師は,マッチを使うのが苦手な生徒の支援にまわるとよい.
全員合格を目指して,生徒たちが頑張る姿が見られる.
時間内に合格できない場合は,次のガスバーナーのパフォーマンステストのときや,昼休みは放課後にテストを実施する.
慣れてくると,無駄に火をつける生徒が出てくる.
マッチ箱の中の本数を10本程度にして,なくなったら教師のところに来て,補充するシステムにするとよい.また,マッチも安くないことを伝えておくことも大切である.
マッチは,軸木にも燃焼材としてパラフィンが塗られているなど,シンプルながらも奥が深く,科学技術の結集といってもよい.日本燐寸工業会の「マッチの世界」というHPは,大変,おもしろい.ぜひ生徒にも紹介したい.